■2022年4月17日 第1回 豆・アスパラガス 〜 勉強品目「豆・アスパラガス」 東京青果(株)  渥美富雄氏
  • コロナ禍や戦争の影響で、資材費や輸送費が高騰し、生産者からは経費が厳しい、という声があがっています。また、都市のロックダウンや人の確保が難しくなったなどの理由で、果実、野菜も全般的に、輸入品が入りにくくなっています。

  • 本日のテーマ野菜についてご説明します。まず、砂糖えんどう。今の時期、産地は静岡、一部愛知です。さやごと食べるもので、スナップえんどうより皮が薄く、豆がふっくらとして大きいのが特徴です。今がピークで、5月になると白っぽくなり、終盤に向かいます。先ほど、豆の生産量は下がり、単価は上がっている、というお話がありましたが、砂糖えんどうは減少している品目の代表的なものです。

  • スナップえんどう、今日の産地は福島県です。現在、長崎、熊本が中心で、鹿児島は終盤戦。愛知もどちらかというと終盤で、福島は出始めです。さやごと食べられ、甘みがあって、食感がいい。ゆで時間は1分〜1分半ほど。ゆですぎには注意してください。豆類の中でも期待のホープで、鹿児島では、オクラの生産者が冬と春はスナップえんどうを出荷し、今後も増える見込みです。関東、東北、北海道までリレーがあり、各地でこれからも増える傾向です。

  • きぬさやえんどうは福島産で、出始めです。九州から東北、北海道まで産地リレーされます。豆が薄ければ薄いほど市場価値は高くなります。3〜6月が旬。生産量は減少傾向で、産地ではスナップえんどうに切り替わっている傾向にあります。

  • 今日のピースは鹿児島。栃木、福島、長野などでも生産されています。中の実を食べるもので、皮は食べられません。3〜5月が旬。好き嫌いがある品目のようで、生産量は減少傾向にあります。

  • うすいえんどうは和歌山。ピースの改良品種で、よく似ていますが、うすいのさやのほうが白っぽい。関西で人気が高く、関東では色が濃いピースが主流です。関東でも宣伝してください。

  • ジャンボいんげんは沖縄。福島県会津などでも作られています。通常のいんげんの生産者がジャンボいんげんに置き換わっているようです。昔のモロッコいんげんはもっと短くて幅広でしたが、ジャンボいんげんは長く、幅は2センチほど。やわらかく、甘みがあり、シャキシャキしています。生産量は今後も増えると思いますが、あまり知られていません。八百屋さんの力を借りて、もっと広めていきたい品目です。

  • オランダザヤは絶滅危惧品種と言えるくらい生産量が減っています。さやの長さが10センチ以上と大ざやで、ラーメン屋さんなど業務筋から引き合いもありましたが、今日の入荷はありませんでした。

  • いんげんは千葉。原産地は南米で、どじょういんげん、サーベル、ステイヤー、キセラなどの品種があります。関東と関西で好まれる品種が違い、関東はサーベル、ステイヤー、鴨川グリーンなど、やわらかくて口当たりのよいもの。関西ではツルなしで、やや短めのツルツルとしたキセラという品種が好まれます。ジャンボいんげんは増えていますが、いんげん自体の生産量は減少しています。

  • そらまめは長崎。現在、鹿児島が終盤で、これから愛媛も出てきます。長崎、熊本、千葉、東北と、リレーされます。さやが天を仰ぐように上に伸びることから、「そらまめ」と呼ばれます。Lは3粒以上入っており、Mだと2粒、Sは1粒。3〜6月が旬。豆の黒い部分をお歯黒といいます。成熟すると現れ、豆のホクホクとした食感が楽しめます。好みにもよりますが、出始めのそらまめは中の皮もやわらかいので、皮ごと食べられます。全国的には減少傾向です。以前、量販店さんから、いくらゆでてもやわらかくならない、というクレームがありました。どうやら、お客さまはさやごとゆでていたようです。焼けば中が蒸し焼きになり火が通りますが、さすがにさやごとゆでてもダメです。

  • 豆類は全体的に生産量が少なくなっているものが多いのですが、スナップえんどうのようにアメリカから入ってきて販路や知名度を上げた品目もあります。きぬさやは中国から大量に入ったことがあり、手間がかかるので国産のきぬさやを作る人は少なくなってしまいました。季節商材ですので、消費者のみなさんにぜひおすすめください。
◇質疑応答より

    Q:さやいんげんについて、昔はレシピに必ず筋を取る、と書いてありました。今は筋がないものが多く、筋があれば取る、と書いてあります。実際には筋があるものがほとんどないように思うのですが、どれくらいの割合で筋があるのでしょうか?
    A:東京青果に入ってきて私が販売している中では、今、筋があるものはないです。基本的にそのまま食べられます。

    Q:私の故郷、台湾では、さやえんどうやいんげんは袋ごと大量に安く買っていたのですが、日本では少量でも高くて買えません。人件費や気候のせいなのでしょうか?
    A:気候ではありません。今から25年くらい前、日本でも、さやえんどうやいんげんは大きな袋に詰めて売っていました。高くなった理由の一番は生産量の減少です。機械化されにくく、収穫は人の手で行わなければなりません。きぬさやだと1箱に800枚入りますが、手間をかける生産者がいなくなり、後継者不足も重なって、単価が上がりました。現在、スナップ以外は減少傾向にあります。台湾のようにもっとモリモリ食べていただきたいのですが…。市場には安く販売できるB級品、C級品もあります。八百屋さんはそういうものも紹介できると思うので、ぜひよろしくお願いします。

◇アスパラガスについての補足説明
 [杉本氏より]
  • 村松先生のお話の中に、ドイツではホワイトアスパラガスが山のように売られていた、というのがありました。ドイツのホワイトアスパラガスは土かけ栽培なので、太くて短い。泥付きだと土を頭にかぶるので日本では嫌がられますが、それが本来の姿です。

  • グリーンと白は同じものです。ハウスに黒い幕を張り、遮光して栽培したのが白。本当は土かけ栽培のものがおいしいのですが、今は土かけ栽培はほとんど行われていません。佐賀から北海道まで、アスパラを作っていますが、ほとんどが遮光栽培です。

  • アスパラガスが高いのは、なかなかお金にならないからです。最初の1〜2年は針金のような細いものしか出てきません。そこで仕方なく伸ばして花を売る。作り始めてから3〜4年経たないと、野菜としては出荷できません。
◇「豆・アスパラガス」の写真
砂糖えんどう(静岡)
スナップえんどう(福島)
きぬさや(愛知)
グリーンピース(鹿児島)
うすいえんどう(和歌山)
モロッコインゲン(沖縄)
さやいんげん(千葉)
そらまめ(長崎)
豆苗(村上農園)
クレイジーピー(村上農園)
グリーンアスパラLL(佐賀)
グリーンアスパラM(長崎)
ホワイトアスパラ(佐賀)
パープルアスパラ(山形)
   
 

【八百屋塾2022 第1回】 挨拶講演「免疫力を高める野菜の活用術」勉強品目「豆」「アスパラガス」食べくらべ