■2023年6月25日 第3回 うり類・スイカ 〜 食べくらべ
◇レシピの説明
[石井玲子氏より]
  • 今日のレシピは、調理班の黒津が考えたレシピです。黒津は、都内のホテルで働いている和食調理人兼管理栄養士です。詳しいレシピを知りたい方がいたら、黒津まで聞いてください。

  • 白うりは、夏にぴったりのレシピとして、さっぱりとレモン和えにしました。レモン汁と生姜、しそが入っているのがポイントです。白うりは、少し皮を剥き、塩もみします。レモン汁、すりおろしたしょうが、砂糖、最後に、しそを加えて混ぜます。砂糖はレモン汁に甘みを少し補ってあげる程度の少量です。

  • とうがんは、給食センターなどで、安くて大きいから発注したいけれど、スープ以外に食べ方がわからない、という声を聞きます。そこで、そういった方にご提案いただけるレシピとして、とうがんの中華風サラダをご用意しました。とうがんは生のまま切って、塩でもみ、出てきた水分をぎゅっと絞ります。生だと感じる青臭いにおいが取れます。ご家庭では、加熱するのが面倒という人も多いと思うので、生で食べられることをおすすめすれば、売上アップにつながるのではないか、というご提案です。コンビニでも買えるサラダチキンをほぐしたものとあわせて、鶏ガラスープの素、お酢とお砂糖で作った中華風の味のタレであえ、ゴマを加えて、アクセントに糸唐辛子を使いました。今日は、生でご用意しましたが、給食施設など、生では提供できないような場合は、軽く火を通せばいいと思います。

  • 昨年度の八百屋塾では、「加賀太きゅうり」を定番の煮もので召しあがっていただきましたが、本日は炒めものをご用意しました。中華では、きゅうりをよく炒めものに使います。「加賀太きゅうり」は、皮をしましまに剥いて、厚めに切ります。ごま油で、にんにく、ひき肉、長ネギと炒め、軽く塩コショウで味をつけました。今日は赤身の豚ひき肉を使いましたが、脂身が多めの豚ひき肉を使う場合は油はつかわず、ひき肉の脂だけで炒めるとヘルシーです。今日は、ご提供までにやや時間があったので、余熱で火が通っていると思いますが、食感を残したい方は、少し早めに加熱から上げていただければ、「加賀太」ならではの食感を楽しんでいただけると思います。

  • 「金糸うり」は、オーブン焼きにしました。自分でほぐしながら食べるレシピのご提案です。輪切りにして、塩、コショウ、オリーブオイルをまぶし、180度のオーブンで45分焼いただけです。焼き上がり時間はオーブンの性能によって変わってきますが、一般的には、180〜230度ぐらいで、約30分で焼き上がります。チーズをのせてイタリアン風にするとか、いろいろなアレンジも効くのではないかと思います。 茹でてほぐして調理するという工程がなく、簡単さという面でもアピールできるレシピです。
石井玲子氏
料理の試食
 
◇「スイカ」の食べくらべについて
[タナカトウコ氏より]
  • スイカの食べくらべは、4種類。

  • 1番、緑色のシールが、鳥取、倉吉の大玉スイカ。

  • 2番、黄色のシールが、少し空洞があった八街のスイカ。

  • 3番、赤いシールが、「金色羅皇」。事前に普通の羅皇だと思っていたので、赤いシールにしてしまいました。来たら、黄色いスイカだったので、シールを逆にすればよかった、と思ったのですが、赤のシールの方が、「金色羅皇」です。

  • 4番が、和歌山の小玉スイカ「ひとりじめ」。青いシールです。

  • ちなみにスイカのカットは、みなさんご存じだと思いますが、真ん中の部分が甘いので、そこが全員に均等に行き渡るように放射状にカットしてあります。
タナカトウコ氏
スイカの食べくらべ
 
◇食べくらべと試食の感想
  • 「白うりのレモン和え」は、白うりの食感がいきていると思いました。白うりはやはり、コリコリした歯ごたえがおいしいものですし、しかもさっぱりしていて、暑い時期にぴったりだと思いました。とうがんの中華風サラダは、完全に生?と思いましたが、塩でもんであるから、少ししんなりとしていたんですね。生で食べたのは初めてでしたが、とうがんの食感が楽しめて良かったです。加賀太の炒め物も、すごくおいしかったです。まず、加賀太自体の味がいいのと、それを引き立てる味付けがすごく良かったです。金糸うりは初めて食べたのですが、香りがすごくいいですね。だからこそ、オーブン焼きのシンプルな味付けがよく合い、金糸うり自体の味もわかりやすくて、すごくおいしいと思いました。

  • 私は、酢の物が苦手なのですが、今日の料理は全体的に食感がすごく残っていて、うり系のいいところが出ていたと思います。金糸うりに関しては、私は、ほぐして食べるという食べ方しかしてこなかったので、オーブン焼きをぜひお客さまにすすめてみたいと思いました。

  • スイカは正直どれもおいしくて、最後はなんだかわからなくなってしまったのですが、やっぱりバランス的には、鳥取のスイカが1番おいしいと思ったような気がします。黄色のスイカはほんとうに甘くて、びっくりしました。買ってみたい、と思いました。

  • スイカはどれも甘くておいしかったです。小玉スイカはあまりおいしくない、と思っていましたが、「ひとりじめ」はすごくおいしかった。これから、同じように思っていた人にもおすすめできる、と思いました。

  • 鳥取のスイカが1番甘くて、シャリ感もありました。肉が緻密というか、実が詰まった感じで、とてもおいしかったです。小玉スイカもすごく甘くて、シャリ感もまあまあでした。1番果しか出さない、と聞いて、納得しました。正直、茨城あたりのものは、こんなものか…という感じですが、これはおいしかったです。

  • 横浜市場から来ました。横浜には、和歌山の小玉スイカは入ってこないので、初めて食べることができました。鳥取の「極実」も、今日初めて食べました。八街を最後に食べたのですが、面白かったのは、八街のスイカも最初に食べれば、普通においしく感じられて全然問題ないスイカだと感じました。先ほどのお話のように、うまくブロックにして売ればかなりの利益率が出るのではないか、と。絶対クレームはないと思います。ほんとうに、今日は楽しく勉強させてもらいました。ありがとうございました。

  • 倉吉のスイカが1番おいしいですね。皮のへりまで、それほど甘みが落ちないので、いいと思いました。黄色いスイカは、私は、何十年も食べていなかったのですが、昔の黄色いスイカはこんなにおいしくはなかった、と感じました。すごい進化ですね。

  • 鳥取、倉吉のスイカが1番おいしかったです。でも、千葉のスイカも、倉吉に勝るとも劣らないくらい、結構おいしかったです。「羅皇」は、今まで食べたことのある黄色いスイカとは全然違って、すごく甘さもあり、フルーティーな感じがしました。小玉スイカも非常においしかったです。

  • 私は普段、スイカはあまり食べないのですが、今日は非常においしく食べさせていただきました。

  • 1番おいしかったのは、「ひとりじめ」で、際立っておいしい、と思いました。緑色の大玉スイカは、上から下まで甘い感じがしました。お話を聞いて、黄色いスイカが1番おいしいのかと思っていたのですが、私は、果肉のシャリシャリした感じはすごい好きですが、甘さとしては「ひとりじめ」が1番でした。

  • 私はもともと倉吉のスイカが好きなのですが、今日、食べくらべてみて、改めておいしいと感じました。小玉スイカは、個体差があるような気もしますね。確かに甘いことは甘いのですが、私が食べたものは、食感がイマイチでした。千葉の方がシャリ感が強かった。皮もやや厚めだったので、個体差があることは頭に入れておかないといけないのかな、と感じました。
 

【八百屋塾2023 第3回】 挨拶講演「ベテラン農家は語る!」勉強品目「うり類」「スイカ」食べくらべ