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■2010年5月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 4月は例年にない低温が続き、降雪、日照不足も重なり、近年まれにみるほどの野菜価格の高騰となりましたが、5月は天候が回復、今まで低温で抑制されていた分まで市場に出回ることが予想され、価格も平年並み、品目によっては低価格になることが予想されます。
◇主要野菜・果実の5月の状況
[野菜]
●大根
 千葉産主力の出荷となり、中旬以降は潤沢な入荷が期待できます。しかし、作柄はM・L中心と、少し小ぶりになる見込みです。
●キャベツ
 千葉・神奈川・愛知産が主力。各産地とも1週間〜10日ほど作柄が遅れて、4月下旬の高騰を招きましたが、中旬以降は急速に作柄回復の見込みです。下旬には、関東各県の品も加わり、安く推移すると思われます。
●人参
 徳島産から、千葉・静岡産に移り、中下旬より、栃木・埼玉産も加わり、下旬には昨年より安くなる見通しです。
●長ねぎ
 端境期のこの時期、価格は前年より高くなりそうです。夏ねぎの作柄も低温が影響して遅れており、価格は前年比110%、入荷は95%の見込みです。
●胡瓜
 埼玉・群馬・宮城産中心の入荷になりますが、主力の埼玉産は下旬より低温の影響を抜けて作柄回復に向かうでしょう。価格は前年比110%と、少し高めです。
●レタス
 キャベツ同様、4月に高値をつけましたが、5月下旬には長野県産も始まり、価格は落ち着いて、さらに、安値となる見込みです。
●ピーマン
 4月には超高値をつけたピーマンも、徐々に作柄回復に向かい、下旬には潤沢な入荷が期待され、6月のピークを迎えることでしょう。価格は前年より少し高い115%、入荷は95%です。
●トマト
 愛知・福岡産から、千葉・栃木産へと産地が変わり始めますが、3〜4月の日照不足で樹勢が弱く、小玉傾向です。価格は前年並みか、少し高くなるでしょう。
[果実]
 中晩柑類、いちごから、スイカ、露地メロン、ハウス物のさくらんぼ、みかんに品目が変わるこの時期、果物全般に品薄感が出てきます。価格は果実全般、高めになります。
●ハウスみかん
 作付は前年を上回る面積で、入荷量は多く見込まれますが、小玉傾向です。愛知・蒲郡産は、今年初めから「宮川早生」になりました。
●もも
 5月に入り、山梨産のハウス物が始まりますが、日照不足により生育が遅れ、小玉傾向です。価格は前年並みを予想しています。
●びわ  
 長崎産の露地物が始まり、下旬にはピークを迎えるものの、千葉産の不作がたたり、価格は高めに推移しそうです。
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)