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■2010年12月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 大根、人参、葉物類は11月の出遅れから脱し、量的にも価格的にも安定してきたものの、例年よりはやや高めの価格となり、また、果菜類は10〜11月の高値から脱し、年末は安定した価格帯になりそうです。
◇主要野菜・果実の12月の状況
[野菜]
●大根
 作柄は完全に回復し、千葉産・神奈川産を主力に価格も安く安定しそうです。入荷量は多く、前年比105%、価格はキロ60〜65円。
●人参
 11月の高価格は脱したものの、小ぶり傾向は変わらず、年末にかけ再び価格が上昇すると思われます。入荷量は前年比90%、価格はキロ110〜120円。
●キャベツ
 主力の愛知産・千葉産ともに作柄は回復に向かい、春系・冬系とも8玉中心の作柄で、中・下旬より入荷量も増加してきそうです。入荷量は前年比90%、価格は前年比20%高のキロ100〜110円。
●ねぎ
 主力の埼玉産・千葉産ともに作柄は悪く、需要が増してくる年末にかけ、再び高値が予想されます。入荷量は前年対比90〜95%、価格はキロ280〜350円。
●白菜
 茨城産の作柄は回復に向かいつつありますが、小玉傾向は変わらず、前年より高い水準にあります。温度の低下とともに需要が増してきますが、価格は70〜80円と平年より高く、入荷量も前年比90〜95%と少ないでしょう。
●ブロッコリー
 関東物の作柄遅れ分が一気に出回り、上旬は安値をつけますが、寒気の南下とともに価格は上げに回る見込みです。入荷量前年比90〜95%、価格はキロ280〜300円。
●ホーレン草
 11月下旬に作柄は完全回復し、安値となりました。12月も引き続き潤沢な入荷が見込まれ、安値が期待できます。入荷量前年比95〜100%、価格はキロ350〜400円。
●玉ねぎ
 北海道産は猛暑と長雨で収穫量が激減、品質も中・小玉中心で、貯蔵品の品傷みも多く、価格はキロ180〜200円と前年の約2倍となっています。 北海道産の貯蔵量も前年より極端に少なく、年明けはさらに高値が予想されます。輸入物も扱わなければ対応できない年となるでしょう。
[果実]
●みかん

 

 中旬より早生種から普通種・晩生種(青島系)に切りかわります。今年は裏年のため、品種がかわっても入荷の増量は見込めず、例年より高値となるでしょう。
●りんご
 主力の長野産「サンふじ」は中旬でほぼ終了し、青森産に移行します。今年の青森産は他県産より色つきがよく、小玉傾向ながら食味はよさそうです。果実全般に入荷量が少なく、りんごも前年比15〜20%高となるでしょう。
●かき
 主力の奈良産・福岡産「富有柿」は例年にない不作で、11月も前年比30%高をつけました。生柿の出荷は10日頃で終了し、冷蔵物に切りかわります。生・冷蔵物ともに極端に入荷量が少なく、例年にない高値となるでしょう。
●いちご
 夏の高温で株苗の生育が悪く出遅れ気味でしたが、クリスマス需要期には回復するとみられます。12月下旬には入荷量、価格ともに前年並みとなるでしょう。
 
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)