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■2010年9月「八百屋の匠 旬情報」

「八百屋の匠」こと、杉本 晃章による最新の野菜・果物インフォメーションです!

◇最新動向
 全国的に厳しい残暑が続き、9月中旬まで続くとの予報で、各産地・各品目とも入荷量が少ない状況です。一部山沿いを除き全く降雨のない状況で、秋野菜の定植にも影響が出てきており、品薄状態は10月まで続く見通しです。
◇主要野菜・果実の9月の状況
[野菜]
●大根
 8月は前年の70〜80%の入荷量で、主力の北海道産は降雨量が多かったためと暑さのために作柄が非常に悪く、9月も続くとみられます。入荷量は2〜3割減、価格はキロ100〜120円中心。
●キャベツ
 つま恋(群馬)産は小玉傾向変わらず、干ばつ・高温の影響で前年より1割減となりそうで、回復は10月頃になる見込みです。価格はキロ80〜90円。岩手・青森産も作柄悪く、小玉傾向です。
●人参
 8月下旬は主力の北海道・青森産ともに高温と降雨量が多かったために品質が悪く高騰しましたが、9月は温度の下がり方で入荷量は多くなる見込み。ただし、高温のため肥大せず、L・M中心。価格はキロ200円前後の見込みです。
●胡瓜
 東北各産地の露地物は高温のため切り上がりが早く、9月は入荷量が減少してくるでしょう。関東の抑制物は8月下旬から始まっていますが、本格的に多くなるのは9月中旬以降となります。価格はキロ300〜400円。
●ねぎ
 主力の青森産は8月の降雨のため品傷みが発生し、作柄はよくありません。作付は前年並みですが、入荷は1割ほど減少し、価格はキロ250〜350円。
●レタス
 主力の長野産高原物は降雨が多く品傷みが発生、入荷量は前年対比80%と少なく、18玉中心と小玉傾向です。価格はキロ200〜300円と高くなりそうです。
●トマト  
 今年は昨年に続き夏秋物トマトの作柄が高温と長雨(青森県)の影響で花落ちが多く、高値となるでしょう。価格はキロ500円中心となり、関東産のハウス抑制物が多くなる10月まで入荷減が続く見込みです。
●なす
 8月になり作柄は急速に回復。各野菜高値の中、なすは低価格となりましたが、9月は温度の低下とともに価格が上がってくる見込みです。キロ200〜250円。
[果実]
●りんご(つがる)

 9月は入荷の中心が長野産から青森・岩手産に移ります。両県産ともに小玉傾向で若干色づきが遅く安値傾向ですが食味はよく、中旬より早生ふじに移行していきます。
●梨(幸水・豊水)
 主力の福島産幸水は小玉傾向ながら食味はよく、前年並みの入荷です。今年は開花が遅れたため、10日ほど遅れて中旬まで入荷します。豊水は上旬より千葉・茨城産が始まりますが、小玉傾向。福島産は10月上旬まで入荷がずれ込む予想です。
●ぶどう(巨峰)
 山梨産ハウス物は上旬で終了しますが、長野産露地物が中旬より本格入荷します。高温のため着色はやや遅れ気味ですが食味は良好で、須高地区・東部地区が最盛期となるでしょう。
(東京都青果物商業協同組合 理事 杉本 晃章)