■2018年4月8日 第1回 開講式 〜 食べくらべ

◇トマトの食べくらべと試食

  • トマトは、福岡八女の「桃太郎ホープ」、茨城竜ケ崎の「レディーファースト」、愛知豊橋のサカタ系「りんか409」または「麗旬」、栃木はがののサカタ系「麗容」を食べくらべた。フルーツトマト2種、茨城NKKアグリドリームの「スーパーフルーツトマト」、千葉せきね農苑の「完熟石播きとまと」も食べくらべた。

  • 料理は、「麗容」のオリーブオイル焼き、麻婆トマト、カラフルミニトマトの浅漬けなどを試食した。
トマトの食べくらべ
「麗容」のオリーブオイル焼き
 
 

◇グループワークの発表

 食べくらべた4種類のトマトについて、POPにどう書いて売るかをグループごとに発表してもらいました。
  • 豊橋のサカタ系は味が濃く、甘みと酸味のバランスがちょうど良くて深みのある味なので『みんなが好む大好きなトマトです!』。ファーストだったら『懐かしい、食べやすい。昔ながらのおいしい味です』。

  • 桃太郎ホープは、『ただトマトが食べたい!という方に、普通の味のトマトです。おいしくたくさんめしあがれます』。豊橋のサカタ系は『全体的にはっきりとした味でおいしくめしあがれます』。

  • ファーストは期間限定なので、『この時期ならではのお楽しみ』。

  • 4つ並べたとき、おすすめするなら豊橋のサカタ系だと思ったので、『とっておきの1個はコレ!』。
    レディーファースト、『今しか食べられないトマトです。味は…』。あえて「てん、てん、てん」としたいです。

  • 桃太郎ホープはちょうど時期が合うので、『桃の花が咲いたら、桃太郎を食べよう』。レディーファーストは、『口の中にさわやかな香りが残るレディーファースト』というのはどうでしょうか。サカタ系はフルーツトマトのようなので、サラダにしたときに赤い色とパンチのある味を添えられるのではないか、と思いました。それを言葉にしたらいいのでは、と考えているところです。

  • 桃太郎は味が薄いので、『ドレッシングでいかがですか』。レディーファーストは、『さわやかな味のトマトです』。
 今期の司会を担当する森輝夫さんのお店は、POPがうまいと評判です。森さんなら何と書くか、発表してくれました。
  • 桃太郎はやや味が薄いので、『冷やして丸ごと食べるならコレ!』。ファーストは昔食べた方が多いと思うので、『懐かしの味。酸味が苦手な方はコレ!』。りんかなどは『がんばった自分へのご褒美』。サカタの麗容は、『桃太郎とちょっと違うトマトが食べたいならコレ!』。
森輝夫氏
 
◇調理について
[石井玲子氏]
  • カラフルミニトマトは浅漬けにしました。トマトにはリコピン、カリウムなどが含まれており、カリウムは加熱もせず洗わずに食べるのがいい、といわれています。

  • 麻婆トマトには、調理用トマトを使いました。作り方は、お配りしたレシピをごらんください。今日は麻婆豆腐の素を使いました。オリジナルの調味料をブレンドするよりも素を使ったほうがスピーディーで、トマトも食べやすくなります。トマトのグルタミン酸とひき肉のイノシン酸との相乗効果で、うまみがアップしています。リコピンは油といっしょに摂ると吸収されやすいので、麻婆トマトはおすすめです。
石井玲子氏
 
◇食べくらべ、八百屋塾の感想
  • 「桃太郎」がいいと思いました。私はトマトを販売するとき、かたいのがいいのか、甘いのがいいのか、お客さまに聞きます。店には2〜3種類、ミニトマトも入れたらかなりの種類になります。お客さまの好みに対応できるような販売を心掛けています。

  • 「麗容」のオリーブオイル焼きは、実がやわらかくて、意外と酸味がありました。全体的に角が取れたまろやかな味になり、ソースなどが合うのではないか、と思いました。
 
◇その他 〜 トマトについて 御倉多公子氏
[御倉多公子氏]
 9年前になりますが、『トマトマニア』という本を出しました。

 毎年、固定種のトマトを家庭菜園で作り、自分で食べて、大きさ、糖度、酸度なども調べていすます。「ポンテローザ」も何度も作りました。実際に作ると、「これが桃太郎になったんだ」と実感します。ほかにもミニトマトの「スイート100」とか、育てやすくておいしいと思った「グリーンゼブラ」などは、そのあとに市場に出てきたので嬉しくなりました。

 今日はテーマ野菜がトマトだったので、八百屋塾に参加しました。市場に出回っているトマトをこれほど一堂に食べられることはないので、よかったと思います。

御倉多公子氏
 この頃、お店では、星でおいしいかどうか判断しましょうと、トマトをひっくり返して売っているのはいいことですよね。

 高糖度トマトはとても高いので、なかなか1箱は買えません。八百屋さんがバラで数種類を食べくらべセットみたいにして売っていただけると嬉しいです。

 それから、八百屋さんにぜひ流行らせてほしいこと。先日、トマトについての番組の収録があって、若い女性スタッフが「私、毎日トマトを1パック職場に持ってくるんです!」と言っていました。ミニトマトは子供のお弁当用などに便利ですが、若い女性にこそ食べてほしいと思います。私も見習って、毎日ミニトマトをテーブルに置くことにしました。いろいろなミニトマトを試せるのも面白いですし、カラフルトマトなら見た目にも楽しくていいですよ。スナックのように、知らず知らずのうちに毎日トマトを食べることになります。美肌、美白など、嬉しいこともたくさんあります。ミニトマトはそのまま洗うだけで食べられるので、まずはみなさんも実行して、八百屋さんが流行らせてほしいと思っています。

 

【八百屋塾2018 第1回】 挨拶スタッフ紹介講演「トマト」食べくらべ商品説明・生産者紹介