■2019年8月18日 第5回 出張八百屋塾@北足立市場 〜 加工実習「ピクルス」
[中村敏樹氏より]
  • インカのめざめ、インカのひとみ、インカルージュ、シャドークイーン、シェリーなど、いろいろなジャガイモの小さいものを持ってきました。これをピクルスにします。瓶詰めの前に加熱し、後殺菌もしますので、1年持ちます。

  • カットして入れるとデンプンが溶けて濁るので、小さなジャガイモをまるごと皮のまま使います。今は乾いていますが、ピクルス液に入れると皮もきれいに発色します。

  • ジャガイモにはローズマリーがよく合います。1本入れるだけでおしゃれ感も出ます。

  • 瓶は100℃の蒸気で30分殺菌してあります。そこにゆでたジャガイモを入れます。詰め方はそれぞれのセンスで、大きさ、色を見て入れてください。横にローズマリーを1本入れ、上までピクルス液を注ぎ、蓋をギュッと閉めてください。それを後殺菌します。

  • トマトやセロリのピクルスも定番ですが、トマトは後殺菌をすると割れるので、湯むきして入れるのが基本です。赤だけでなく、カラフルにしたほうがいいでしょう。

  • 抜き型も使ってください。高松空港が今度新しくなります。四国の形、飛行機の形を型抜きしたものだったら空港に置いてくれる、と言われました。みなさんもいろいろ工夫してみてください。

  • ピクルス液は、基本的に酢、砂糖、塩。配合はいろいろあります。酢、砂糖、塩を沸かし、火を止めてから、ギャバンのピクルスミックスという調味料を加えて、1晩冷まします。お酢は普通のもので構いません。甘いのが好みでしたら砂糖を増やします。

  • ニンジンやセロリは瓶に合わせた長さに切ると見た目がよく、取り出しやすい。

  • ハラペーニョのピクルスも最高です。辛いのでそのまま食べるのではなく、ピザのトッピングなどに使います。地方のいろいろな唐辛子を、長いまま一緒に漬けても面白いでしょう。

  • ジャガイモ、ゴボウ、豆は漬ける前に下ゆでが必要です。ゴボウは切るとデンプンが出て濁るので、細いものをそのまま使います。豆はトラ豆、うずら豆など、5種類の乾燥豆を水でもどしてから、煮て入れます。酢大豆は健康にもいいし、サラダのトッピングにも使えて便利なので、好評です。残った枝豆も使えます。
(有)コスモファーム 取締役 会長
中村敏樹氏

ピクルスの材料-1

ピクルスの材料-2

ピクルスの材料-3
  • 切り干し大根のピクルスもおすすめです。お湯をかけて絞ってから入れます。

  • 葉物はピクルスには向きません。色が抜けてやわらかくなってしまいます。

  • 常温で半年は持ちます。お客さまには、開けたら冷蔵庫で保存してください、と伝えています。賞味期限は菌検査をして決めます。1本ずつ取っておき、3ヶ月、半年と検査をします。最近は栄養表示も求められるのですが、品目をたくさん作るとカロリー計算が大変です。殺菌や表示など、小規模なわれわれにとってはいろいろ大変ですが、そこは消費者目線でしっかりやらないといけない、と思っています。

  • ジャガイモのピクルスは、作ってすぐ食べられます。そもそも下ゆでしますし、ジャガイモの後殺菌は温度が高くてもいいのですが、ニンジン、大根などは温度が高いと煮物になってしまうので80℃で20分殺菌します。

  • ジャムを作ることも考えましたが、最近、あまりパンにジャムをつけて食べたりしないと思いませんか。とにんく、特徴のあるものを作ること。八百屋にはいろいろなものがあると思うので、ぜひチャレンジしてみてください。