■2019年10月20日 第7回 キノコ類・リンゴ 〜 勉強品目「キノコ類」 東京青果(株) 野菜第1事業部 白井祥太氏
  • 東京青果で、エリンギやマイタケ、その他の細かいキノコを担当しています。

  • 台風19号の影響ですが、サトイモ、千葉のナバナは、例年に比べてかなり少なくなるだろう、といわれていますが、その他の野菜はほとんど影響はないと思います。千曲川の氾濫で、ホクトさんの工場が被害を受け、450トンのエリンギが廃棄されましたが、全体の2割程度ですので、大きな影響は出ないと思われます。
東京青果(株) 野菜第1事業部 白井祥太氏
  • キノコの生産は、企業化が進んでいます。ダイコクホンシメジのタカラバイオは、雪国に買収され、合併しました。マッシュルームのシェアが全国一だった三蔵農林も雪国に買収されました。企業化の影響で、量販店に直接納入する市場外流通が進んでいます。市場では、秋から冬にかけて流通量が極端に減ります。市場としては、夏場などもしっかり棚を作って販売する姿勢が大事、と考えています。

  • 今年は9〜10月に30℃を超え、サラダ野菜が中心の販売になりましたが、ようやく涼しくなり、今後はキノコが売れると思います。エリンギ、シイタケ、ブナシメジ、エノキタケ以外の細かい品目もぜひ販売していただきたいと思います。

  • 本日お持ちしたタモギタケは、山形。出汁がしっかり出て、リピーターさんもかなり多いおいしいキノコです。

  • アワビタケは、長野。本来は夏場のキノコで、夏に多く生産されますが、秋口に高級なキノコとして販売されています。煮ものや炒めものに使うとおいしいキノコです。

  • ヤマブシタケは、長野。脳を活性化させる成分が含まれているとされ、高齢者施設でも使われているようで、今、注目を集めているキノコです。

  • カキノキタケは、長野。茶色いエノキタケです。白いエノキタケと比べるとシャキッとした食感で、ややぬめりがあります。鍋物などにお使いください。

  • キクラゲは、茨城。近年、テレビでも取り上げられ、注目の商材です。本来は夏のキノコで、夏場はかなりよく売れました。秋口もぜひ使っていただきたいと思います。

  • マツタケは、中国とカナダです。国産は残暑の影響で、かなり高いです。岩手は終盤で、これから西のほうのマツタケになりますが、高値のままだと思います。

  • ヒラタケは、これからのシーズンの商材です。表面に白い胞子が出ることが多いのですが、食べても問題はありませんので、しっかり説明して販売してください。

  • 「香りマツタケ、味シメジ」といわれる「シメジ」は、ダイコクホンシメジです。グルタミン酸が非常に多く、しっかりとしたうまみが感じられるキノコです。価格は高めですが、マツタケの横で売るといいのではないか、と思います。

  • トキイロヒラタケは、長野。栽培がむずかしく流通量が多くないため、価格は高めです。

  • バイリングは、別名シロアワビタケ。ヒラタケとエリンギの掛け合わせで、コリコリとした歯ごたえが特徴です。価格は高めですが、この時期おすすめの商材です。

  • 白マイタケは光を当てないで栽培します。品種も普通のマイタケとは違います。加熱しても黒い色が出ないので、料理屋で重宝されています。

  • これから気温も下がり、キノコをたくさん売っていただきたい季節になります。生産者さんも台風被害に負けずたくさん作っているので、ぜひよろしくお願いします。
◇「キノコ類」の写真
菌床シイタケ
(秋田)
原木シイタケ
(秋田)
生ドンコ
(長野)
チイタケ
(徳島)
マイタケ「極」
(新潟)
石坂マイタケ
(新潟)
タモギタケ
(山形)
アワビタケ
(長野)
ヤマブシタケ
(長野)
カキノキタケ
(長野)
茶エノキタケ
(長野)
柳マツタケ
(長野)
生キクラゲ
(茨城)
白いキクラゲ
(大分)
マツタケ
(カナダ)
マツタケ
(中国)
ダイコクホンシメジ
(京都)
ホンヒラタケ
(新潟)
霜降りヒラタケ
(新潟)
トキイロヒラタケ
(長野)
足付きナメコ
(長野)
ジャンボナメコ
(岐阜)
バイリング
(長野)
ハナビラタケ
(群馬)
 
◇「リンゴ」の写真
シナノスイート
(長野)
秋映
(長野)
なかの真紅
(長野)
紅玉
(山形)
サワールージュ
(宮城)
     
 

【八百屋塾2019 第7回】 挨拶講演「キノコとはどのような生物か? 栽培キノコの分類と多様性」勉強品目「キノコ類」「リンゴ」食べくらべ