■2023年10月15日 第7回 れんこん・香酸柑橘 〜 食べくらべ
◇「れんこん」の食べくらべについて
[タナカトウコ氏より]
  • れんこんの食べくらべ、1番目は、茨城のMサイズ。(株)れんこん三兄弟さんのものではありません。2節目、3節目を輪切りと縦割りにしたものです。カットした後、酢水に4〜5分さらして、熱湯で茹でています。サイズがバラバラなので茹で時間は揃えていません。串がやや刺さるぐらいのかたさに茹でました。

  • 2番目は、茨城のSサイズ。先端は水分が多いため使っていません。2節目、3節目の部分を選んで使っています。

  • 3番目の青いシールは、「加賀れんこん」。輪切りにしたもので、これも同じく酢水にさらしたものを、熱湯で茹でています。
タナカトウコ氏
  • 4番目の赤いシール、輪切りのほうは「だるまれんこん」。新潟、「大口れんこん」の晩生の品種です。半月切りのほうは、「大口れんこん」の早生、「エノモト」です。こちらも両方とも、先端ではない部分を使っています。

  • 5番目の黄色いシールは、徳島れんこんの輪切りです。

  • 薄くスライスしたピンク色のれんこんは、徳島の赤れんこんで、品種名は「友弘れんこん」です。皮を剥いてオリーブオイルで炒めました。ほかのれんこんは皮は剥いていません。

  • 香酸柑橘は、1番、すだち(徳島)。2番、ゆず(高知)。3番、徳島の「さなみどり」という種が少なめの新品種のすだちです。そのまま口に絞っていただいてもいいですし、添えてあるカップに絞って飲んでも、ミネラルウォーターに絞り入れて飲んでもらってもいいです。飲みくらべをすると、すだちとゆずで、全然香りと酸味の感じが違うと思います。

  • 広島レモン、マイヤーレモン、ライムをカットしたものもご用意しました。めずらしいフィンガーライムもありますので、食べてみてください。

  • 山ノ内のりんごの試食もあります。茶色くならないようさっと塩水をくぐらせたので、少し塩味があるかもしれません。
れんこんの食べくらべ
香酸柑橘の味くらべ
かぼすのタネ比較(大分)
広島レモンの試食
メイヤーレモンの試食
ライム(メキシコ)の試食
◇レシピの説明
[米本氏より]
  • 本日ご試食いただくのは、れんこんの竜田揚げです。レシピの考案は石井さんですが、代わりにご説明します。

  • 使用したのは、「加賀れんこん」です。皮つきのまま、厚さ5ミリぐらいの輪切りにします。すりおろしたしょうが、醤油、マヨネーズを和えたものとれんこんを混ぜ合わせ、片栗粉をまぶして、フライパンで揚げ焼きにします。

  • 最後に青のりを振って完成になりますが、本日はやや下味が薄かったので、軽く塩も振りました。

  • 家にある調味料で手間をかけずに作れる、と いうのがレシピのコンセプトです。揚げ物ですが、薄くスライスしてあるので、フライパンに薄く油を敷いて揚げ焼きにすれば、通常の揚げものよりも簡単で、油の処理も楽にできます。

  • ご家庭で調理される際は、合わせ調味料をポリ袋に入れて作れば、より洗い物も少なく、さらに簡素化できると思います。
米本氏

れんこんの竜田揚げ
 
◇食べくらべと試食の感想
  • れんこんの1番と2番は、切り方で食感が全く違いました。料理方法によって使い分けるのがいいのかも、と思いました。茨城のMサイズの縦切りは、もちもち感があった気がします。自分は全般的に好きなのですが、食感としてはシャキシャキがいい。これは個人の好みだと思います。「加賀れんこん」は、以前食べたときはもっともちもちしたようなイメージでしたが、今回はシャキ感が出ていて、変わったのでしょうか。赤れんこんの炒めものはおつまみに最適ですね。突き出しなどに、一切れでも使うと、色が映えると思います。日本料理関係の人たちにおすすめしたい商材だと思いました。

  • 一番驚いたのは、切り方ですごく食感が違うこと。茨城はシャキシャキのイメージですが、縦切りのMサイズのもっちり感もすごくおいしいと思いました。自分も「加賀れんこん」はもっとやわらかいイメージがあったのですが、時期によるのでしょうか。

  • 「加賀れんこん」の食感は、加熱時間によると思います。「加賀れんこん」はすりおろしてれんこん餅にしたり、煮もので食べることが多く、さっと茹でて食べることはあまりありません。また、デンプンは秋から糖化してくるので、たとえば、さつまいもも今はまだ若いですよね。一般的に、西のれんこんはもっちり、関東はシャキシャキという印象があると思いますが、徳島や熊本の生産者さんとお話すると、「自分たちのれんこんもシャキシャキだ」とおっしゃるんです。採った時期や調理法で変わる、ということだと思います。ねっとり、もっちり、ほくほくのれんこんが食べたい方は、Mサイズを縦切りにして加熱時間を長くするといいのではないかと思います。

  • 粉質のものはコトコト煮ると甘くなりますよね。今日は、グラグラ沸かしたお湯で煮たために糖化があまり進まなかった、ということはあるかもしれません。

  • れんこんのシャキシャキした食感は、他の野菜にはない魅力だと思います。切り方によって違う食感になるのも料理に生かしたい。あと、何よりあの形。丸くて穴が開いていて、とてもかわいらしい。食べくらべをしながら、れんこんはまだまだ需要があるのではないか、と思いました。(株)れんこん三兄弟さんのようなこだわりれんこんもあるので、もっと食べてくれる消費者が増えたら嬉しい、と思いました。

  • 自分がれんこんを料理するときは輪切りが多かったので、縦切りを食べてみて、やわらかく、甘みがあることが意外でした。煮ものにすると調味料の味に寄ってしまいますので、れんこん自体の甘みに驚きました。Sサイズは思っていた通りのシャキシャキ感が出ていました。個人的には、徳島れんこんのシャキシャキ感が最も強かったので、好みではありましたが、全体的においしかったです。

  • 柑橘は、かぼすもいいのですが、すだちのほうがもっと爽やかな感じがしておいしいと思いました。