■2016年3月13日 第12回 修了式 〜 塾生の感想
 記念講演、修了証書授与式のあと、塾生のみなさんに1年間の感想を聞きました。
[高橋航さん]

 果菜里屋の高橋です。1年間ありがとうございました。スタッフのみなさんに感謝しています。山田さんの司会が楽しくて、今年はすごく盛り上がったと思います。今年は班制度で、1班の班長を務めました。1班の全員が修了証をもらったことが何よりも嬉しかったです。今年で3年目になりますが、徐々に知識が増えて、仕事に生かせるようになってきました。おいしさという野菜が持つエネルギーを感じて、野菜の声が聞けるように、これからも勉強していきたいと思います。

店名:果菜里屋
住所:東京都足立区栗原2-19-7
TEL:03-3858-5855
定休日:日曜・祝日・休市日
HP:http://kanariya-seika.com/
ブログ:http://vege.way-nifty.com/gama_yossie/

高橋航さん
[宮川慎一さん]

 日本橋、戸田谷商店の宮川です。染め物を生業にしており、SONKOさんの紹介で初めて参加しました。いろいろな話を聞いて、野菜は大切だと感じました。私自身も野菜が好きで、家でも7〜8割は野菜を食べています。ゆでただけとか、そのまま生で食べてみると、野菜本来の甘みなどが感じられておいしいので、わが家ではそれがブームになっています。ありがとうございました。

宮川慎一さん
[SONKOさん]

 今は八百屋「三金」で働いています。35年間エステティシャンをしているので、細胞と会話をするのが趣味で、人間の身体は野菜を欲していると感じて、たどり着いたのが三金さんでした。八百屋さんの本当の苦労は知らず、店に立っているだけですが、野菜に携わらせていただいていることに感謝しています。1年半やってきて、こう切ってほしいとか、こう使ってほしいとか、野菜の声を感じるようになったので、今日の本道さんのお話を聞いて泣きそうになりました。八百屋さんのお手伝いはこの3月で終わりますが、宇宙のエネルギーをもらってできている野菜たちが私たちの身体のエネルギーになるということを、これからもいろいろな人に伝えていきたいと思います。ありがとうございました。

SONKOさん
[市川純子さん]

 変わった八百屋「三金」の市川です。八百屋はいろいろな出会いがあって、本当に面白いと思います。SONKOさんのようにお客さんだった方といろいろな話をして、深いつながりになることもあります。彼女は何も大変なことはしていない、と言ってますが、寒いときも暑いときもお店に立って、お客さまの身になって対応してくれました。今年は娘も八百屋を手伝うようになり、SONKOさんと一緒に、新しい風を吹き込んでくれています。八百屋塾にも2世の女性が増えてきたのは嬉しいことです。八百屋さんは今までどちらかというと男性が多かったので、消費者の立場に立っていない、という面もあったのかもしれません。今後、ますます女性からの発信が大切だと感じています。今年も1年八百屋でいられてよかったです。ありがとうございました。

店名:三金
住所:東京都目黒区原町1-16-14
TEL:03-3713-7690
定休日:日曜・祝日
HP:http://www.sankin55.com/

市川純子さん
[伊藤和宏さん]

 1年間、野菜について学ぶことができ、いろいろな話も聞くことができました。今までは、自分で調べてわからないまま終わっていたことも、八百屋塾に来て納得したことがだいぶあり、よかったです。次期も参加したいので、よろしくお願いします。

店名:伊藤商店
住所:東京都葛飾区亀有3-31-8
TEL:03-3602-1480
定休日:日曜
営業時間:10時〜19時半

伊藤和宏さん
[佐々木駿さん]

 東京農業大学の4年です。父の紹介で八百屋塾に参加するようになったのですが、何よりも品種の多さに驚きました。今まで見たことも食べたこともない野菜が多く、それらを実際に食べくらべて、議論できたのがよかったです。これからも学び続ける姿勢を大切にしたいです。来年度は、就職活動と卒業論文があるので、どれだけ参加できるかわかりませんが、できるだけ来たいと思っています。1年間ありがとうございました。

佐々木駿さん
[野田孝次郎さん]

 葛西の野田です。長年、八百屋塾で勉強しているので、だいぶ知識も増え、お客さまにこたえられるようになりました。自信を持って売れるようになったのも、八百屋塾のおかげだと思っています。今後はもっと知識を増やして、いい野菜を売りたいと思います。

野田孝次郎さん
[近藤達也さん]

 元近藤青果店の近藤です。残念ながら、店は1月で閉店し、今は八百屋というよりはディスカウントストアのような形の店をやっている会社に入りました。毎日、野菜を扱う仕事には変わりなく、今までの自分の商品知識や、仕入れ時の目利きなどを生かしていきたい、と思っています。来期、日曜日に休みが取れるかどうかわからないのですが、まだまだ野菜の勉強をしたいので、できれば引き続き参加したいと思っています。

近藤達也さん
[豊野美紀さん]

 近藤達也の姉です。1月いっぱいで店を閉め、今は北千住の杉本青果店で働いています。今までは目に入るのは野菜と果物ばかりでしたから、特に好きだとか意識したこともなく、当たり前のように食べてきました。閉店後の2週間ほど、あまり野菜を食べていなかったら、異様に野菜が食べたくなり、舌がしびれてきました。杉本青果店にご挨拶がてら、買い物に行ったとき、見るものすべて買いたくなって、とりあえずカボチャと小松菜を食べたら、翌日、ぴたっと舌のしびれはなくなりました。今まで恵まれた環境だったということや、両親がやってきたことが自分の中できちんと育っていたんだな、ということを改めて自覚できました。今も日々勉強ですが、新しいスタートを切り、がんばっています。来年度もみなさんといっしょに学びたいと思っていますので、よろしくお願いします。

豊野美紀さん
[大澤崇代さん]

 保谷で風琳青果という八百屋をしています。2年前に八百屋塾に参加したのは、こういう野菜がこの時期にこの土地でこうして作られているんだよ、ということをお客さまに伝えたかったからなのですが、勉強して、すべての回で初めて聞くことや、発見することがたくさんありました。店でお客さまに伝えられているのは1割くらいだと思いますが、「アンタの顔を見ると元気が出る」と言ってくださる90歳くらいのお客さまもいて、知識を教えるのではなく、もう一度来たいと思ってもらえる店にするのも大事だということを学ばせてもらいました。今日の講演を聞いて、野菜の気持ちを聞くことで、そうしたお店作りに役立てることができるのではないかと思いました。

店名:風琳青果(フウリンセイカ)
住所:東京都西東京市東町2-15-25
TEL:042-422-0086
定休日:日曜・祝日
営業時間:10時〜18時半

大澤崇代さん
[大塚八重子さん]

 組合で事務をしていました。人に惑わされず、信念を持って、おいしい野菜を作っている人に出会えて話を聞けたことが一番の収穫で、自分がこれから生活していく上で、貴重な財産になりました。組合の事務は辞めることになってしまいましたが、八百屋さんが大好きで、もっと八百屋さんや野菜のことを知りたいので、来年も通いたいと思います。

大塚八重子さん
[北村竜一さん]

 くりや商店の北村です。八百屋塾に来て2年目になります。お客さまに「どっちのりんごがおいしいの?」と聞かれたときに、甘いのはこちら、香りがよくてりんごらしい味はこちら、などときちんと説明ができて、次にご来店してくださったときに、「この間のりんご、おいしかったよ」と言われたのが一番嬉しかったです。また来年もたくさん勉強したいと思います。

北村竜一さん
[内田昌一さん]

 文京区の根津で八百屋をしています。僕らの仕事は売っておしまいではなくて、自分の目で仕入れて並べたものを買ってもらい、食べておいしかったら、また来てもらえる。その繰り返しだと思います。品揃えではスーパーやコンビニにかなわないので、商品知識、味の表現方法、調理の仕方といった切り口がいいのではないか、と思っています。ここで知った野菜をおすすめすると、また来てくれる方が多いので、効果はあると思います。八百屋を始めて30年以上になりますが、最近、特に八百屋が楽しいんです。売れたから次はこうやろう、これを売ろうと考えて、手応えがあると面白い。とはいえ、まだまだ勉強が足りないので、来年も通います。

内田昌一さん
[小嶋英嗣さん]

 1月から参加しており、今日が3回目です。調布市の仙川で、今、お店の開店準備中です。来年度は八百屋として参加したいと思っています。本道さんのお話に出た徳島の民宿のご主人は、アフリカで一緒に活動した仲間なので、嬉しくなりました。一時期、野菜の生産にも携わっていたことがあり、野菜については知っていたつもりだったのですが、ここに来て、品種のことなど知らないことがたくさんありました。真面目に勉強して、きちんと作っている人の野菜を買ってもらえるようになりたい。人生は残り少ない、と思っているので、少しでも世の中の役に立つことをしていきたいです。

小嶋英嗣さん
[大須田仁さん]

 名古屋で仲卸をしています。地方の市場はすごいスピードで衰退しており、仲卸の不要論もあるくらいです。私は農産物の商社に長年勤めていたのですが、今の社長からなんとか仲卸を残したいと熱く語られて、1月から仲卸になりました。駐在員として横浜におり、いろいろな店を回って、仕事に役立てようとしているところです。日々の対面販売には、まだまだチャンスがあるのではないでしょうか。特に若い人に、もっとていねいに、焼き方、ゆで方、食べ方を伝えたり、旬の野菜の提案などをして、本来の日本の食文化を継承していきたいと思います。来期もよろしくお願いします。

店名:名古屋果実(有)
住所:愛知県西春日井郡豊山町大字豊場字八反107
TEL:052-903-3037
定休日:市場休
HP:http://www.nagoyakajitu.co.jp/

大須田仁さん
[三樹清人さん]

 三金さんと本道さんのご紹介で参加しました。サラリーマンですが、農家さんとの繋がりを持って、自分の身体を健康に保ちたいという思いがあります。私の知人が書いた『旅する八百屋』という本があります。店舗を持っていないので、直接、農家さんと繋がりを持ち、マルシェなどで販売する。近頃、マルシェが人気ですが、若者を中心になぜそこに集まるのかというと、野菜と会話したい、本来の姿が知りたい、調理法が知りたいなど、対話を求めているから、わざわざ土日に電車に乗ってマルシェに出かけるわけです。ただ、売る側からすると、あちこちのマルシェに出向かなければいけないとか、場所が狭いのでそれほど商品が置けず、2〜3回来ると飽きられてしまう、などの問題もあるそうです。みなさんのように店舗がある八百屋さんは、多くの農家さんの商品が扱えて、地域に根付いて生活されている方と毎日話ができるのが強みだと思います。

三樹清人さん
[杉本晃章さん]

 杉本青果店の杉本です。月に何度か講演をしていますが、原稿なしで3時間話せるのも、八百屋塾のおかげです。テレビ番組に出て以来、店も順調です。八百屋はやればやるほど面白い商売だと思います。私はいつも前向きで、あの手この手で売上は伸ばせると信じています。仲卸がどんどん減って、市場がダメになりそうな今、八百屋が生き延びて行くには、ここで勉強して、個性のあるものを売らないといけません。うちや森さんの店は、スーパーより売れているんです。勉強しなくても食べていけるのですが、そういう人が勉強に来ているわけです。決して安く売っているわけではなく、付加価値をつけても、きちんと違いを説明できれば売れます。来月の開講式は、また私が記念講演ということで、創始者である江澤先生の精神をお伝えしますので、ぜひ聞きに来てください。

杉本晃章さん
 

【八百屋塾2015 第12回】 挨拶|記念講演「野菜の気持ち、命の食」修了証書の授与塾生の感想茶話会