■2013年6月16日 第3回 〜 勉強品目「しょうが」について 東京青果(株) 長掛雄治氏
◇勉強品目「しょうが」
  • 平成22年度の農水省のデータによると、しょうがは国内で約54,000トン生産されています。高知が1位で、44%。熊本が12%。千葉8%、宮崎7%、次に鹿児島と続きます。

  • 大しょうがは関西より西で多く作られており、葉しょうがは関東寄りで作られています。

  • 平成24年度の東京都の卸売市場の取り扱い数量は、1年間で、根しょうが6,036トン、葉しょうが693トンです。根しょうがのトップは高知で3,254トン。次が中国で、1,940トン。次いで和歌山、千葉、熊本、宮崎と続きます。葉しょうがは、千葉、静岡、茨城、愛知の順になっています。
東京青果(株) 長掛雄治氏
  • 高知の「オガワウマレ」、「黄金虚空蔵」、熊本の「八郎しょうが」は、いずれも「土佐1号」からの派生種で、選抜していったものです。

  • 「オガワウマレ」は、小田陽介さんという生産者の方が命名したもの。

  • 「黄金虚空蔵」は、畑で見たときに、黄金色に輝いて見えたことからこの名前がついたそうです。

  • 「八郎しょうが」は生産者の名前が八郎さんだったからだそうです。産地は八代に近いところですが、しょうが祭りが開かれたりもしています。

  • 「三州しょうが」は生食用に適していますが、非常に病気に弱い。辛み成分が強いため、冷ややっこの薬味に最適です。

  • 中国産のしょうがは、切ると中が黄色いとか、辛みが強いなどといわれています。中国産も、サンプリングをして、きちんとチェックしたものが出回っています。各会社で情報も開示しているので、残留農薬などが気になるようであれば、お問い合わせください。

  • 葉しょうがは、新しょうがが育ち始めて2〜3cmになったときに葉をつけたまま収穫したもので、筆しょうが、矢しょうがなどともいわれます。千葉の農家さんに、脇芽がまったく動いていないもの、と教わりました。ものによって色が違いますが、三州しょうがを使うと白が強く、在来のものを使うと赤みが強くなるそうです。

  • 「谷中しょうが」も葉しょうがの一種です。谷中界隈で作られていたので、この名前があります。

  • 葉しょうがを「はじかみ」と呼ぶこともありますが、これは、端が赤いところに由来するとか、顔をしかめるという意味で刺激的な味を表す、などともいわれています。
◇しょうがの写真
オガワウマレ
(高知)
しょうが
(熊本)
黄金虚空蔵
(高知)
しょうが
(中国)
春野新しょうが
はじかみ
(愛知)
葛飾つばめしょうが
(茨城)
葉しょうが
(千葉)
 
■2013年6月16日 第3回 〜 勉強品目「ハウスミカン」「サクランボ」について 橋本幾男氏
◇勉強品目「ハウスミカン」
  • ハウスミカンは、愛知県の蒲郡とみはま、長崎の島原南、佐賀の松浦東部、大分のきつきのものを持ってきました。うちの店では、蒲郡とみはま、長崎の島原南を扱っています。

  • 今年のハウスミカンは、どの産地のものも平均しておいしいと思います。

  • 松浦東部の細かいものがよかったのですが、宮川早生と極早生が入っているので、極早生だとややじょうのうがかたい。自分の舌で味わってから売らないといけません。
橋本幾男氏
  • 愛媛・中島の「カラマンダリン」も、サンプルに持ってきました。いい貯蔵ができていて、結構おいしかった。

  • うちの店では、ミカンは大中小、全部15個ずつ詰めて、値段を変えて売っています。ギフトの場合は、白い箱に入れて包装しています。

  • サイズは、SとSSが中心。今年はSSが少ないのですが、ハウスミカンは細かいほうがおいしい。一番いいのはSSです。よく知っているお客さんは、大きいのは買いません。
◇ハウスミカンの写真
みまはっこ 青箱
(愛知)
みまはっこ 赤箱
(愛知)
蒲郡ハウスミカン
(愛知)
きつきミカン
(大分)
ハウスミカン
(長崎)
カラマンダリン
(愛媛)
◇勉強品目「サクランボ」
  • サクランボは、山形が1週間ほど遅れています。今日は、無加温ハウスと露地の佐藤錦を持ってきましたが、まだ露地は味が気に入らないこともあります。今の佐藤錦よりは、高砂のほうがいいかもしれません。今年は、ハウスの紅秀峰もおいしかった。

  • 来週あたりになれば、露地の佐藤錦もよくなってくると思います。ただ、自分で食べて判断しないといけません。昔はただ赤いだけではなく、赤いところに少し星が出ているようなサクランボがあって、それがすごくおいしかったのですが、最近はそういうものを見なくなりました。シルバーを使っているので下から色がつきます。色がつけば収穫してしまうので、味にばらつきが出るんです。

  • 佐藤錦は、山形の東根が発祥です。ナポレオンと黄玉の掛け合わせで、1924年に、佐藤栄助さんの畑から出たもの。佐藤錦という名前をつけたのは、岡田東作さんという人です。

  • アメリカのレーニアは比較的新しく、1956年、ワシントンの州立の農業試験場で、ビングとバンを掛け合わせて生まれました。

  • 今年のカリフォルニアのレーニアはおいしくて、国産よりいいという人もいるくらいです。

  • うちの店では、レーニアの試食を出してあり、食べればだいたいのお客さんが買っていってくれます。
◇サクランボの写真
佐藤錦
佐藤錦(小さな恋人)
レーニア(アメリカ)
 
 

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