■2013年8月18日 第5回 〜 勉強品目「ピーマン類」について 東京青果(株) 長掛雄治氏
◇勉強品目「ピーマン類」
  • 去年1年間の東京都中央卸売市場への入荷量は、ピーマン全体で、2万2,000トン。前年の103%になります。1位は茨城県、2位は宮城県、3位は岩手県、4位は高知県の順です。

  • ジャンボピーマンは、全体で、679トン。1位は高知県、2位は宮崎県、3位は千葉県、4位は沖縄県です。

  • パプリカは、4,295トン。1位は韓国、2位はオランダ、3位はニュージーランド、4位は宮城県、5位は茨城県です。

東京青果(株) 長掛雄治氏
  • とうがらし、ししとうがらしは、1,200トン。1位は高知県、2位は千葉県、3位は茨城県、4位は韓国になります。

  • 青森県、まべちのピーマンは、品種は「みおぎ」だと思います。東京青果に入ってくるピーマンは、夏場は青森県、岩手県、北海道が多く、若干、茨城県の抑制もあります。これからは茨城県産がピークになってきます。

  • 赤ピーマンは、高知県産です。緑のピーマンを完熟させたもので、赤くなるまで時間がかかるので、その分手間もかかっています。青森県や北海道などでも作っています。緑色のものより甘みがあります。

  • 国産のパプリカは、茨城県旭村のものをお持ちしました。赤と黄色があり、輸入のパプリカと比べても見劣りしないぐらいの大きさです。夏秋時期に出してくるパプリカで、大きいものには、パプリカの王様の意味で、「パプ王」という名前がつけられています。最近、あまりにも暑いため、やや持ちが悪いこともあるので、ご注意ください。

  • 山形県のパプリカは、土耕栽培。最初は大きいのですが、だんだん玉が小さくなります。無骨ですが、コクがあっておいしい。

  • 輸入のパプリカは、今日は、オランダ産です。 緑、赤、黄色、白、オレンジとさまざまな色があり、色によって価格が違います。赤が多いのですが、バラエティに富んでいますので、ほかの色もぜひ使ってみてください。

  • ピーマン、パプリカ、とうがらしの学名はどれも同じです。形がまったく違っていても、トウガラシ科の同じ仲間です。

  • 「伏見とうがらし」は、京都府の伏見地区で、自家採種により作られてきたとうがらしです。

  • 「万願寺とうがらし」は、昭和28年に外国から入ってきたタネで作られたとうがらしですが、今では京のブランド産品に選ばれています。全農京都さんの場合、品種は万願寺とうがらしでも、ブランドマークがついているのは、「万願寺やまと」という商品だけになります。また、赤と緑では相当値段が違います。赤の万願寺はなかなかないので、ほしいときは事前にご相談ください。

  • 「赤とうがらし」、「青とうがらし」には、品種がいくつかあり、通年供給されています。意外と高い品物です。

  • 「韓国旨辛」、「韓国激辛」といった世界のとうがらしは、兵庫県の篠ファームさんが栽培しているものです。篠ファームさんでは、めずらしいとうがらしやナスなど、さまざまなものを作っています。

  • タキイ種苗さんが開発した「こどもピーマン」は、苦みのない甘いピーマンです。どんな味か、のちほど試食してみてください。

  • ピリ辛の「かぐらなんばん」は、新潟県の長岡で、自家採種から始まったピーマンです。1996年にたまたま発見され、品種登録されました。新潟県内ではわりと作られています。

  • ミニパプリカは、小さくて甘みがあり、生でかじってもおいしいです。

◇ピーマン類の写真
ピーマン
(青森)
パプ王
(茨城)
赤パプリカ
(山形)
赤パプリカ
(オランダ)
黄パプリカ
(オランダ)
橙色パプリカ
(オランダ)
緑パプリカ
(オランダ)
白パプリカ
(オランダ)
紫パプリカ
(オランダ)
ミニパプリカ
(茨城)
かぐらなんばん
(新潟)
ししとう
(千葉)
伏見とうがらし 青
(京都)
伏見とうがらし 赤
(京都)
万願寺とうがらし 青
(京都・石割農園)
万願寺とうがらし 青
(京都)
万願寺とうがらし 赤
(京都)
青とうがらし
(千葉)
赤とうがらし
(千葉)
ゴールドチリ
(兵庫・篠ファーム)
セラーノ・デル・ソル
(兵庫・篠ファーム)
ナガジョロキア
(兵庫・篠ファーム)
韓国うま辛とうがらし
(兵庫・篠ファーム)
四川とうがらし
(兵庫・篠ファーム)
 
■2013年8月18日 第5回 〜 勉強品目「ぶどう」について 橋本幾男氏
◇勉強品目「ぶどう」
  • 今日は、志賀高原の「巨峰」、山梨の「ピオーネ」、「ナガノパープル」、「ゴルビー」など。「シャインマスカット」は、長野と山梨のものを両方持ってきました。

  • ぶどうは、肩のところがうまいんです。ですから、市場で試食をするときは、下のほうを食べてみて、それがおいしければ、上は大丈夫です。他の果物は下のほうに糖分が下がるのですが、ぶどうは違うということを覚えておいてください。
橋本幾男氏
  • 「ナガノパープル」は、「巨峰」と「リザマート」の掛け合わせです。タネなしにして、皮を薄く、長野県が作ったのですが、最初の頃は実割れが多かった。改良が進み、最近はほとんど実割れがなくなりました。ただ、まだ値段がちょっと高いです。露地になると多少安くなるかもしれませんが、皮はやや厚くなります。

  • 「ゴルビー」は、「レッドクイーン」と「伊豆錦」の掛け合わせで、名前は、ソ連の大統領だったゴルバチョフに由来しています。出始めの頃は売れましたが、今は影が薄くなってしまい、南アルプスあたりでしか作っていません。南アルプスといっても平地が多いので、あまり色がつきません。今日の「ゴルビー」は、色がついているほうだと思います。

  • 今、一番人気があるのは、「シャインマスカットです」。長野と山梨では多少味が違うので、そのあたりに気をつけて売るといいと思います。岡山の「シャインマスカット」も、皮が薄くておいしい。「シャインマスカット」は店持ちがよく、脱粒しにくいので、地方発送にもおすすめの品種です。

  • うちの店で地方発送をするときは、包装紙でくるんで、できるだけ粒が落ちないようにしています。「巨峰」は脱粒しやすいのですが、志賀高原のものは割としっかりしています。「ゴルビー」は落ちにくい。今年はこの暑さなので、ぶどうもみかんも桃も、全部発送するときはクール便です。クール便を使わないのは、スイカぐらいです。
◇ぶどうの写真
ゴルビー
シャインマスカット
(山梨)
シャインマスカット
(長野)
タネなし巨峰
(長野)
ナガノパープル
(長野)
ピオーネ
(山梨)
   
 
 

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