■2010年6月20日 第3回 〜 勉強品目「アスパラガス」 東京青果(株) 個性園芸事業部 審議役 澤田勇治氏
◇勉強品目「アスパラガス」
  • アスパラは、非常に話題性が高い野菜のひとつ。他の一般的な野菜に比べると、取扱量も増えています。

  • 今日は、基本的に、北から南まで、全国の産地と、中間地域の産地のグリーンアスパラを持ってきています。見た目がやや白っぽいのは、今日のは長崎のものですが、全国的に有名なのは、佐賀。本来は春、露地で出すものを、後ろへずらしながら出していく、という抑制タイプで、1年間でしぼりきってしまうという、ふせこみ方式のアスパラです。
東京青果(株) 個性園芸事業部 審議役
澤田勇治氏
  • グリーンアスパラでも、産地によってどう違うかを、試食の際に見ていただきたい。

  • ミニアスパラというのは、「間引きどり」をしたもの。立てて作っていると、わき芽が出てきます。おいておけば、そのまま花が咲いて終わりになってしまう。それも、いくらかでも収穫しよう、というものです。

  • 普通のアスパラを茹でて、下準備をしてから食べるというのは、単身者の方にとっては大変。ミニアスパラであれば、下の部分を切って、塩・こしょうで油炒めするだけで、酒の肴になる。ミニアスパラは、「単身者の友」といわれるぐらい評価が高まっています。

  • 「アスパラソバージュ」は、市場の中では、業務関係の方が多く使うもの。一般の小売り屋さんのほうから、「アスパラソバージュはある?」といわれたことはほとんどありません。今日は、高広青果さんに、築地から集めていただきました。フランス産だそうです。ヨーロッパでは、「春を呼ぶ野菜」という位置づけ。日本でいうフキや山菜のようなイメージのものでしょう。形状は、にんにくの芽の先端や、花ニラにも似ています。

  • 「オランダキジカクシ」という名称は、アスパラの和名です。アスパラは、江戸時代にオランダから来たわけですが、そのときは観賞用でした。かすみ草に似た花が咲く時期になると、非常に繁茂します。「キジが羽を広げても、その中に隠れてしまう」というような意味で、「オランダキジカクシ」というしゃれた名前がついた、といわれています。

  • 雌雄異株のアスパラですが、市場に出回っているのは、ほとんどが雄株系のもの。

  • 明治時代、最初に導入されたのが、北海道の道南地域です。北海道の岩内という町に、「発祥の地」という碑があります。農学博士の下田さんという方が、冬場の換金作物として取り入れた、といわれています。同じく北海道ですが、喜茂別町が生産を拡大していき、全国的に広まるようになった。アスパラの歴史からすると、特産地が2つある、ということになります。

  • 北海道は、栽培面積が約1,950ヘクタール。全国の3割を占めます。

  • 東京中央への去年の入荷量は、約7,800トン強。従来に比べると、去年の場合は若干少なかったようです。

  • 入荷量の多い産地は、第1位が佐賀県で約1,100トン。第2位がメキシコで950トン。第3位が福島県で860トン。第4位が長崎県で850トン。第5位がオーストラリアで約770トン。アスパラの主産地というイメージの北海道は第6位で550トン。長野は10位で280トンでした。前年については、非常に大きな主力産地の東京への入荷量が減った、ということになります。

  • 金額では、東京中央で、1年間65億円。それほど多くの売上げではありません。こちらも第1位は佐賀県で11億円。2位は長崎県、8億5000万円。3位は福島県、7億円。4位はオーストラリア、5億2000万円。5位はメキシコ、5億円。相当、輸入のウェイトが高くなっています。

  • グラムあたりの価格は、時期によっても違いますが、第1位の佐賀県では、キロあたり830円。長崎県は、980円。福島県が、830円。輸入物については、オーストラリアが670円。メキシコは、510円となっています。

  • 主要産地は長野県、北海道ですが、近年は、関東、北関東でも栽培しています。栃木県あたりも相当力を入れているようです。その他、いろんな地域からアスパラは出回っています。

  • 主要産地は、作型によって異なってきます。1〜2月は、秋田や群馬の促成栽培のものが出回ります。3〜4月は九州。特に、佐賀や長崎のものが出回る。5〜7月、今の時期の露地物産地としては、長野県、秋田県、北海道等。その後は抑制になり、色が白っぽいアスパラが、秋田、長野、九州地域から出てくる。10月になると、国産のものが休眠になったりするので、輸入一辺倒に切り替わります。12月になると、また、促成が出回ってくる。これが、1年間の産地の移行です。

  • 選び方のポイントは、まず、穂先が開いていないか。それから、裏表にグリーンがきちんと回っているか。最後に、切り口。軸を見て、白っぽいものがないかどうかをよく見てください。
北海道・名寄産
グリーンアスパラガス
新潟産
グリーンアスパラガス
長崎産
グリーンアスパラガス
山形産
パープルアスパラガス
北海道・士別産
ホワイトアスパラガス
フランス産
アスパラソバージュ
長崎産
ミニアスパラ
 
タイ産
ミニアスパラ
北海道・石狩産
グリーンアスパラガス
北海道・喜茂別産
ホワイトアスパラガス
 
■2010年6月20日 第3回 〜 勉強品目:補足「北海道石狩産グリーンアスパラ&喜茂別産ホワイトアスパラ」 高広青果(株) 高橋芳江氏
◇勉強品目:補足「北海道石狩産グリーンアスパラ&喜茂別産ホワイトアスパラ」
  • 去年、八百屋塾に参加してくださっていた北海道の八百屋さん、長谷川さんに、北海道産のグリーンアスパラと、ホワイトアスパラを用意していただきました。

  • ホワイトアスパラは、札幌から2時間ぐらいのところにある喜茂別のもの。「アスパラ揺籃の地」といわれている地域です。本来は予約が必要なものなのですが、あわてて取りに行っていただいたので、ちょっと曲がっていたりもしますが…。ご了承ください。
高広青果(株) 高橋芳江氏
  • 「ホワイトアスパラはかたい」などとよくいわれますが、元来、ホワイトアスパラは、皮をむかないそうです。もし、かたい場合は、下にちょっと包丁を入れていただくとか、下のほうだけ皮をむくといいそうです。
  • ホワイトアスパラのいちばんおいしい食べ方は、3〜4センチ長さに切って、網焼きにする。こうすると、甘さが引き立っておいしい、ということでした

  • ホワイトアスパラを茹でる場合は、茹で上がったら茹で湯にそのままつけておいて、冷めるまでおいておくのだそうです。以前は、私も、多少ホワイトアスパラの苦味が気になったのですが…。茹でた後冷めるまでお湯の中においておくと、苦味もとんで、いい味になります、というお話でした。茹でる時間は、グリーンアスパラと一緒です。

  • グリーンアスパラは、石狩産。札幌から1時間ぐらいのところです。海に近いので、海風が強い。無農薬で作れるため、安心安全なアスパラがとれるそうです。

  • 他の作物もだいたいそうですが、アスパラにも寒暖の差が必要です。北海道は寒暖の差があるため、甘味ののったよい品物ができるそうです。ただ、今年は、本当に気候が不順なので、アスパラもまっすぐに育たなかったり、甘味がのらなかったりしているそうです。そのあたりは多少加味して売っていただけるといいのではないかと思います。
 

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