■2010年11月21日 第8回 〜 研修旅行「神奈川県農業技術センター」
●質疑応答

 圃場見学のあとは建物内に戻り、質疑応答が行われました。

    Q1:「サラダ紫」は、夏にお話を伺ったとき、まだ直売所だけで販売しているとのことでしたが、今後の予定は?
    A1:県内限定をいつ外すか、 まだ検討中です。

    Q2:「湘南ゴールド」の今後の生産予定は?
    A2:目標値は平成27年に100トンだったと思います。野菜と違い、果樹はすぐには増えない、という面がある。

    Q3:センターのお休みはいつ?
    A3:土、日、祝日と年末年始が休みです。

 その他、小松菜やほうれんそうについて、北宜裕さんより、「作る側からすると、色が薄くてもおいしいほうがいいのではないかと思うのですが、売る側からすると、色が濃くて見栄えのいいものがいい、といわれる。そのあたりが非常に難しい」、とのお話がありました。

 これに対して、委員の杉本晃章さんより、「売る人が、“色は薄いけど、うまいよ”と、きちんと説明できれば、消費者は理解できると思う。ただ、量販店で2種類の小松菜が並んでいるだけでは、どうしても色が濃いほうが新鮮そうに見えるので…。一般消費者は、新鮮=おいしいと思っているので、新鮮そうなものに手を出すわけです。葉の色が薄いと、まだ若いんじゃないか、とか思ってしまう。相対で売れば、説明ができて、販路も広がってくると思います」との意見がありました。

 

●「花菜ガーデン」の見学

 神奈川県農業技術センターをあとにして、次に向かったのは、神奈川県立の花と緑のふれあいセンター「花菜(かな)ガーデン」。2010年3月1日、平塚市に誕生した施設で、横浜スタジアムの約3.5倍、92,000平方メートルの広さがあり、園芸と農業に親しみ、学び、体験できるセンターです。

花菜ガーデンの建物
バラ園
●研修旅行参加者の感想

 帰路のバスの中では、参加したみなさんから感想をうかがいました。

  • 私は東京生まれ東京育ちなので、モノがなっている姿をなかなか見ることができませんでした。ですから、技術センターで講義を聞き、圃場を見せてもらったのがすごく勉強になりました。梨のジョイント栽培は、「こんな方法もあるんだな…」と、感心しました。狭いところでたくさん収穫を上げられるので、都市型農業の典型だと思う。ただ、それがおいしいものにつながるか、というと、やや問題も残るのではないか。私たちは、ああいう方法もあるんだ、ということを頭の片隅に置いておけばいいのかな、と思いました。

  • 私は、梨のジョイント栽培を見て、すごく落ち着かなかった。樹が「助けてくれ〜!」と言っているような気がしてしまった。普通の梨の木の下にいたほうが落ち着きました。みなさんはどうだったでしょうか?

  • 今日は、いい天気と景色の中、みなさんと会えて、一緒に行動できたことが素晴らしいと思いました。八百屋塾を中心として、みなさんでジョイントして、この輪を続けていただきたいと思います。

  • 私には、みなさんのご意見を聞きながら、技術開発をされている方のお話を伺えたことが、とても勉強になりました。梨のジョイント栽培にはびっくりしました。技術にすごいな、と感心するのとともに、どんなに違う方向に導かれても、上へ上へと伸びようとしている木々の状態が見られて、自然の力はすごい、と改めて思いました。農業は、人間と自然、両方がうまく力を合わせていかないとできないんだな、と感じました。

  • 冬場の大根が本当においしい時期には、通常の青首大根だけでなく、大蔵大根や三浦大根がもう少し生産されるような仕組みが何かないかな、と思いました。小松菜にしても、冬場のすごくおいしくなる時期は、あえて、古いタイプというか、本来の小松菜が出てくるようなことが考えられないのかな、と思いました。

  • 夏に八百屋塾でナスの講義をしたときにお休みしてしまったので、今日はどうしても「サラダ紫」を見たかった。とてもいい勉強をさせてもらいました。梨のジョイント栽培は、実がなったときにぜひまた見てみたいと思いました。また、今日は、本当にみなさんとの交流ができたことが私にとってはすごくよかったです。ありがとうございました。

  • 梨のジョイント栽培は衝撃的でした。ああやって樹がつながっていく、というのは初めて見ましたが、なかなかいいことだな、と思いました。あと、水耕栽培というのはどのようにやっているのか、興味があったので、今回、トマトのところで初めて見られてよかったです。種苗会社の研究農場と今回のような研究所では、違う部分があったので、それも参考になりました。いろいろと比較して育てるのも研究の一環なんだな、と感じました。