■2010年11月21日 第8回 〜 研修旅行「神奈川県農業技術センター」
●梨のジョイント栽培の見学

 梨の圃場では、実際につなぎ合わされた木々を見学しながら、再び北宜裕さんのお話を伺いました。

 [北宜裕さんの話]

 ジョイントというのは、苗のときに折り曲げて、ぎゅーっと引っ張って次のものとつなげるんです。

 ここにあるのは、1995年につないだもの。

 普通なら7〜8年かかってようやく棚面がいっぱいになるのですが、4年でいっぱいになります。植え替えてすぐ、4年ぐらいで、最大値まで達する、ということになります。

梨のジョイント栽培

 普通の1本の梨は、枝の先のほうに栄養がいかなくて樹が弱ったり、果実が小さくなったり、糖度が上がらなかったりするのですが、ジョイント栽培では、そのようなことがありません。要は、デパートの売り場と同じ。儲かる売り場と儲からない売り場があって、でも、トータルでは儲かっている、と…。そのような状況を作るわけです。つなぐことにより、樹勢が強くなり、バラツキがなくります。

 初めのうちは、うまくつげないこともありましたが、最近は、みんな上手につなげるようになりました。苗さえうまくできれば、つながります。

 樹と樹の間、真ん中にある樹は切れるんじゃないか、ということで、切ってみたら大丈夫でした。最終的には、植えておいて、最後に切って作業性をよくしようとしています。

写真のようにして樹と樹をつないでいる
途中の樹は切っても問題がない

 いちばん怖いのは病気です。ひとつの株が病気にかかると、みんなに行き渡ってしまう。みかんは致命的なウイルス病があるので、まだ難しいのですが、梨、リンゴ、梅、柿、サクランボは全国でプロジェクトが進行中です。リンゴは青森でやっていますが、これだと、台風が来ても倒れません。

 ただ、考えてみれば、1本の樹でも、占有する面積というのがあるわけで、それと同じ面積まではつないでも病気のリスクは同じです。そこで、つなぐ本数は10本までとか20本までとかにして、今、実験しています。土地さえあれば、えんえんとつなぐこともできます。

 この栽培方法は、ここだけ。今、特許を申請中です。

梨のジョイント栽培を見学する塾生
梨のジョイント栽培をを説明する北宜裕氏

 また、ある程度の樹齢になったとき、全部がダメになるわけではなく、ある程度補植ができるだろう、と考えています。これは今後の課題でもありますが…。

 それから、昔は剪定というと、農家の熟練したオヤジさんの仕事で、ほかの人はやらせてもらえなかった。この枝は太いから将来のために残すとか、この枝はダメだとか、そういう職人技だったんですね。でも、ジョイント栽培では、出てきた枝を切るだけ。ぶつからなければいい。バイトさんでもすぐにできます。

 ちなみに、ここにあるのは幸水が主ですが、品種は何でもいい。混ぜても構いません。いろいろなものをならせばせいい、というだけですから…。ただ、栄養のバランスがあって、樹が強すぎると糖度がのらない、などということもあるので、細かい点についてはまだ今後の課題として残っています。

 

【八百屋塾2010 第8回】 実行委員長挨拶と参加者の自己紹介センターの概要説明圃場見学梨のジョイント栽培の見学質疑応答