■2011年2月20日 第11回 〜 商品情報 群馬産「山うど」、「たらの芽」、「ふきのとう」、「アスパラガス」 群馬県東京園芸情報センター 主幹 川島正俊氏

 先月、群馬県の産地交流会事業に、八百屋塾から7名の方がご参加くださいました。どうもありがとうございました。先ほど、「“やよいひめ”の産地を見て、いちごを売るときに、より厚みのある説明ができるようになり、とてもよかった」というお話も聞かせていただきました。これを機会に、また群馬県に足を運んでいただければ、と思っています。

 さて、今回は、群馬から、「春の香りと春の便り」ということで、「山うど」、「たらの芽」、「ふきのとう」、「アスパラガス」の4つをお持ちしました。

群馬県東京園芸情報センター 主幹 川島正俊氏

 山菜類は、沼田やうすい安中など、平坦地ではなく、中山間地の産地で作られています。

  群馬県は、「山うど」の東京市場への入荷量が、栃木県に次いで全国2位です。今日お持ちした「山うど」は、群馬県で育成した「トネシロ」という品種です。特徴としては、アクがやや抑え気味に作ってあり、甘くてやわらかく、生でも食べられます。今、若い人は、香りやアクが強すぎて、あまりうどを食べないそうです。それを、手軽に食べていただけるように改良しました。このあと、ご試食いただくことになっていますので、ぜひ、「トネシロ」を食べた感想をお聞かせください。 今日は、生で、水にもさらさずに、そのまま食べていただこうと思っています。また、食べておいしいだけではなく、重量が重く、生産性が高いので、農家の方が作りやすいのも特徴です。

 「たらの芽」も、群馬県で育成した、「群馬はるおう」という品種です。特徴としては、やわらかくて、味があって、食べやすい。また、「たらの芽」は、今の時期、ハウスでふかし栽培をするのですが、このときに、作りやすいのも特徴です。親木を作るとき、畑で病気にかかりにくい。節の数も多く、生産者が作りやすいので、今後、群馬の「たらの芽」の入荷量が、市場で増えてくれば…、と思っています。ちなみに平成21年の東京中央卸売市場の入荷量は、群馬県が全国4位です。

群馬県産の山うど(トネシロ)

 「ふきのとう」は、「水ぶき」というもので、群馬在来の品種です。本来、「ふきのとう」がメインではなく、軸がメインの品種なのですが、それを作るときに、春先にふきのとうが出るので、それを副業的に出しています。平成21年の東京中央卸売市場の入荷量は、福島県に次いで全国2位です。

 今年は雪が降ったり、陽気が寒かったりで、「ふきのとう」があまり出ず、市場の卸値価格も高騰しているようです。そんな状況で、今日は手に入らなかったのですが、「ふきのとう」にも群馬県で育成した品種があります。「はるいぶき」という品種で、「水ぶき」と同じく利根沼田が産地なのですが、在来の品種です。特徴は、今までのものよりも、「ふきのとう」が出やすいこと。今後、生産量が上がるといいと思っています。

群馬県産のたらの芽(群馬はるおう)

 これら、山うどの「トネシロ」、たらの芽の「群馬はるおう」、ふきのとうの「はるいぶき」という群馬県で育成した山菜3種類をまとめて、「群馬山菜3姉妹」として、みなさんに覚えていただければ…。商品を売るときのひとつの物語、セールスポイントにしていただければ幸いです。

 最後に、群馬の「アスパラガス」についてです。今年は、天候の関係上、「アスパラガス」の生産があまり多くありません。今日は、2LとLを持ってきたのですが、2Lが1箱集まらないような状態でした。作柄が十分ではないのですが、ご了承ください。

 なぜこの時期に「アスパラガス」かというと、市場で聞いたところ、最近、冬の時期に、国産「アスパラガス」のニーズがあるそうです。群馬県は入荷量が全国で13〜14位なのですが、冬の時期、1〜2月に限っては、メキシコに次いで2位です。群馬の「アスパラガス」はそれだけのシェアを持っていますので、ぜひ、国産アスパラを、輸入品に負けないぐらい、買ったり売ったりしていただければ、と思います。

【杉本晃章氏より、山うどの食べ方やふきのとうについての補足説明】
  山うどは葉っぱを捨てている人が多いと思いますが、天ぷらにするとたらの芽よりおいしいくらいなので、ぜひ1回やってみてください。

  4〜5月になってくると、山形から、自然に出たうどが出ます。それは、真っ青で、茎が5cmくらいしかなく、葉っぱがわさわさ出ている。それはどこを食べるかというと、葉っぱの部分なんです。山形では、自然の山うどは掘らないんです。カマで上だけ切り取ってきて、一番おいしいところだけ食べる。下の部分は食べません。お客さんにうどの葉っぱをむだにしないように、すすめてください。

 また、この群馬の山うどは、生で食べるものですから、ゆでないでください。ひもかわうどんくらいの幅にカットしたら、薄い塩水に10分くらいつけてアク出しをして、よく水切りをしてから、味噌やマヨネーズであえるといい。ゆでたら香りが飛んでしまいますので、「これは生野菜ですよ」と、お客さんに必ず説明してください。

 ふきのとうは、ふきの地下茎が残っていて、それが春になって出てきたもの。ふきのとうをそのままほうっておくと、ふきになります。

 

【八百屋塾2010 第11回】 実行委員長挨拶|講演「カブ」|勉強品目「カブ」「葉物」「中晩柑」|商品情報|食べくらべ