■2009年4月19日 第1回 〜 商品情報「セロリ」

 茨城県でセロリの生産をしている柿沼です。うちは、農業を始めて30数年、セロリは30年作っています。そのほかに、カリフラワー、ハウスのほうれんそう、直売用のトマト、ハウスのトウモロコシなどを生産しています。

 セロリは、3月中旬〜5月はじめ頃が旬で、この時期が一番おいしい。4月は、静岡産、愛知産もありますが、今は茨城産が一番おいしいと思います。

 収穫して時間が経つと、香りが強くなり、みずみずしさがなくなり、葉の色も変わる。切ったものをいかにいち早く食べるかということと、鮮度をいかに保持するかがたいせつだと思います。

セロリ生産農家の柿沼さん

 日本のセロリの先駆者は、伊藤さん。私も、教えを請いました。日本でセロリを作っている人は、多かれ少なかれ伊藤さんにお世話になっているのではないでしょうか。セロリは非常にむずかしい作物です。栽培者によって、できが違う。その中で残っているセロリの篤農家は、伊藤さんの指導力の結果。伊藤さんの技術を継承しながら、少しでもおいしいものを食べていただきたいと思っています。


 商品が消費者の手に渡るまでには、時間が経ってしまいます。少しでもおいしいセロリを食べていただくためには、できる限り時間を費やさずに、消費者の手元に運んでいただく。八百屋さんにこの使命を果たしていただけると、セロリの消費はもっともっと伸びると思います。

 おいしくないセロリを食べた方は、「セロリはまずい」と、手を出さなくなってしまう。これから試食会があるそうですから、嫌いな人、好まない人も食べてみてください。おいしい、と思う方が大半だと思います。

 うちの産地の近くでも、「セロリはクセがあるから嫌い、食べたくない」といっていた方が、生産農家にきて食べた結果、今では、時期が来ると、多くの方が買いに来てくれます。

柿沼さんのセロリ

 「3月中旬〜5月初旬まではセロリの時期」と、消費者におすすめいただければ、八百屋さんも儲かると思いますし、消費拡大につながる。われわれ生産者も安いセロリを売らなくてすみます。

 特に、今は、こだわりを持つ消費者が多い。安心、安全、新鮮といったことが、非常に大事になっています。ですから、こういうこだわりの製品を、ぜひ売っていただきたい。先ほどの講演の中にもありましたが、多少は高くても、うまいもの、安心なものを買ってもらう。私たちはそれを生産の励みにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 
■2009年4月19日 第1回 〜 商品情報「小松菜」

 アベです。八百屋ですが、「塩小松菜」というものを、うちで栽培しています。

 塩小松菜がなぜできたか。サウジアラビアで水耕栽培をすることなり、海水から塩分濃度をとって水にするのですが、そのときに1割程度海水が混ざってしまったんです。サウジで、そのような水でも栽培できるかどうか実験してみました。そうしたら、塩分が入った小松菜ができたというわけです。

 まだ製品化はしていないのですが、これを、ぜひ、八百屋さんに売ってもらいたい。ただ、自分がいいと思っても、みなさんが受け入れてくださるかはわからないので…。ここに来ている八百屋さんで製品化できればいいな、というのがありまして。あとで食べてみてください。

 水耕栽培で、ハウスから何からすべて作るのに、費用がかかりますが、キロ600円くらいの相場でやれれば、5〜7年でハウスの償却ができるので、起業者が増えるのではないか、と。

アベさんと塩小松菜

 150グラム100円くらいの仕入れ値にして、158円で売るとか…。自分のところで作っているので、値段は、多少であれば、何とかなります。


 JAS認定の農家さんのミニ大根も持ってきました。これは、製品じゃないんです。

 先ほどセロリ農家さんにも言ったのですが、セロリの外葉以外は、スーパーが売ればいいと思うんです。外側の葉の1割か2割でも、対面販売の八百屋さんで売れれば、農家さんは手取りが増える。八百屋塾にいる人に商品として送れば安く売れるし、鮮度がいいものを直接送ることができる。こういう機能を、ぼくは今考えている。製品はスーパーに売ってもらえばいい。八百屋さんは、農家さんから捨てる部分を買って売る。

 このミニ大根も、山積みにして捨ててありました。これをどうにかして商品にできないか、と。キロ600円くらいで。35〜40本入っています。送料も含めて、1本20円くらい。そうすると、3本100円とか、4本200円とかで売れるんじゃないか、と。

ミニ大根
 これのニンジンバージョンもあります。農家さんによると、ミニ大根、ミニキャロットというのは、F1ができないそうです。ちゃんと長さがそろったものができない、と。「どうやって製品化して出しているの?」と聞いたら、「抜かないとわからないから、B品は捨てる」。じゃあ、とにかく、これを、みんなで商品してみようよ、ということで…。もしよかったら、これを、みなさんのお店に送ることもできます。キロ600円で、送料が宅急便で500〜600円ぐらいですか。八百屋として、具体的に値段まで出さなければ、意味がないとぼくは思っていますので。以上です。
■2009年4月19日 第1回 〜 商品情報「わらび」

 北海道は釧路のワラビをご紹介します。露地のワラビ、天然の生です。山の中にできるのが6月ごろ。100グラム50把単位で12500円、送料別。注文制で、着払いです。

 去年食べてびっくりしたのですが、ゆがくだけ、アク抜きしないでも食べられる、本当にめずらしいワラビです。

藤岡さん
■2009年4月19日 第1回 〜 商品情報「小玉スイカ」

 茨城のハナワ種苗です。プロの農家向けに、品種の選定、農薬の散布方法の指導、土壌改良、ハウスの建て方等、農業に関するすべてのものを、農家さんにご提案しています。

 今回は、スイカのご提案をさせていただきます。3月下旬くらいからの出荷なので、試食してください。

 茨城は小玉スイカの大産地です。かつてはタバコの産地だったのですが、約40年前、タキイさんの黄色い小玉スイカのハウスができて産地が形成されました。

 40年経ち、農家さんの平均収入はスイカだけで1000万以上です。スイカ産地でも、これほどのところは、なかなかありません。

塙さん
 ほかのスイカ産地の方からお問い合わせをいただくことも多く、品種の導入や、勉強会等もしています。消費者の方がどのようなスイカを望んでいるのか、いち早くキャッチし、品種の育成から取り組んでいます。

 筑西市は気候的にも恵まれており、スイカの定植期である1月の日照時間が非常に長い。また、台風の被害も少ない地域。45年前にパイプハウスを建てたお客さまが、未だに同じパイプを使っている。コスト的にも、気候的にも、スイカに適した地域です。


 今日ご紹介するのは、小玉スイカの「味良来(みらくる)」。

 9年前にこの品種を導入しました。当時、大玉スイカにあって、小玉スイカにないといわれていた、肉質のシャリ感がある点が特徴です。

 スイカは通常4度ほど中心部と皮付近の糖度が違うのですが、この味良来は、試験栽培時の測定では2度ほどしか違いません。皮付近までおいしく食べられる品種です。

小玉スイカ「味良来(みらくる)」


 スイカの皮とアボカドと海老を混ぜてマヨネーズであえ、レモン、塩、こしょう、砂糖少々。これで1品できる。これを1玉買っていただければ、おかずにもデザートにもなる。家庭を預かる主婦のみなさんにとっても、すぐれた品種ではないかと思います。

 当時、群馬県藪塚産の紅小玉が、高値で取引されており、これに勝てる品種の育成が狙いでした。その頃、筑西市で主流だったサマーキッズでは勝てない、ということで、ヒメカンセンを導入。通常、市場に出回っているヒメカンセン4号ではなく、ヒメカンセン5号のタネを9名の農家の方だけに出して栽培してもらっています。

 4号は平均糖度12.5〜13度。5号は13度〜14.5度。スイカの1度の糖度差というのは、非常に食味的に違いを感じるもの。また、4号は低温時の肥大ができないが、5号は低温時でも肥大できる品種。一番早いもので3月下旬から、今年は例年よりも、ちょっと遅れていますが、これから、次第に糖度が上がっていきます。

 育種時から選定したスイカを、ぜひ、お集まりの八百屋さんに、対面販売で一般の消費者の方々におすすめいただければ、と思います。

  技術のある農家さんでなければ、ヒメカンセン5号は作れません。最初は5名だったのですが、すごくおいしいという評価を受け、9名に増やしました。味良来専用の箱に、自分の名前を入れて出しており、農家さんの許可がなければ、それ以外にタネを出すことはできない。

 販売は、千住さんを通しています。今、千住さんとお取引のある八百屋さんはお問い合わせいただければ。千住さんとお取引がない場合は、私どもに直接おっしゃっていただければ…。大田さんとはお取引していないのですが、ケース単位であればOKかもしれないので、お問い合わせください。