■2012年4月15日 第1回 開講式 〜 実行委員より
[実行委員長:関澤健]

 店は杉並区にあり、私で2代目。創業65年くらいになります。名前は「和泉青果」といい、親父が亡くなったあと、私が代表をしています。

 納品業務が多く、納品9割、店売りが1割です。父親がやっている頃は、店売り7割、納品3割でしたが、時代とともに納品が増えてきました。ほとんどが学校給食で、今、38件くらいですが、まだ需要があります。八百屋さんが高齢化で辞めていくので、毎年1〜2件は新規のオファーがあります。学校給食は8月がまるっきりないので、年間のスケジュールをしっかり立てて、そこをどう穴埋めするかを考えながらやっています。

実行委員長 関澤健
 今から30年ぐらい前、まだ江澤先生がご存命の頃に、新宿の淀橋市場で、「野菜を識る会」をやりました。私はそこで江澤先生と初めて出会いました。今考えると、その頃の八百屋さんの意識は、非常に低かった。私自身も、「なぜ大根を3等分にして、頭と真ん中としっぽを食べくらべるんだろう?」というレベルでした。勉強していくうちに、一口に野菜といっても、だいぶ違うんだ、と思うようになりました。淀橋の八百屋さんだけで1年間ぐらいは続けていたのですが、だんだん衰退して、なくなってしまいました。それから何年か経ち、江澤先生が、本部で八百屋大学みたいなものを作りなさい、とおっしっゃて、それを聞いたときにぜひ参加したい、と思ったのが、八百屋塾に参加したきっかけです。

 初めて八百屋塾に来られた方は、見るものや聞くことのすべてが新鮮かもしれません。私たちは、12年間ずっとやってきていますので、味が違うことはわかっても、だんだんと刺激がなくなってきます。これからは、お互いがいろいろなことを言い合って、私たちも刺激をもらえれば、さらに上へ行けるのではないか、と思います。

 私が八百屋塾に参加した理由は、今の自分よりもっと高い位置を見てみたい、というのがひとつあります。夢は、年を取っても、この業界で、ずっと八百屋を続けていくことです。八百屋塾では、学ぶのはもちろんですが、横の繋がりを持ちたい。各市場、それぞれ特性があるし、地方による特性もあります。横の繋がりを持って情報が入ると、差別化ができる。自分が生きて行くには、差別化が重要です。今後も、日本中のいろいろな品物を見たり食べたりできれば、と思っています。

 
[実行委員・司会進行:西沢好晴]

 店の屋号は「三金」といいます。祖父が金太郎という名前で、三浦の野菜を売る市場を作っていたので、この屋号になりました。

 野菜は素晴らしいもので、みんなの健康や幸せを作るものだ、ということがなんとなくわかってきました。すべての人を野菜で健康にして幸せにしたい、というのが私の夢です。

実行委員・司会進行 西沢好晴
 
[実行委員:中村博之]

 店は、京王線下高井戸駅南口駅前にあります。下高井戸駅は競合店が多く、八百屋さんが私を含めて4軒、大型スーパーが2軒、自然青果店みたいなものが1軒あり、その中で、みなさん独自に頑張っています。競合店があるので、うちも頑張っている状況で、ほかがなくなれば、うちの店にもお客さんが来なくなるのではないか、と心配しています。

 八百屋塾に参加した目的は、勉強のため。勉強しないと、新しい商品にも手が出せないし、置いていかれてしまいます。勉強することによって、活路を見いだせる。

実行委員 中村博之

 ここで勉強したものを市場で買って、それをお店に置くと、他店との差別化にもなります。商品についてのいろいろな知識を学ぶことにより、しっかり説明もできるので、お客さんが安心してくれて、「またここで買ってみようかな」、「ここにくれば他店とは違う品物が置いてあるな」と思ってくれる。八百屋塾は、私にとって、勉強の場でもあり、非常に役立っている場所です。

 夢は、ずっと地域密着のお店であり続けたい。品物のグレードを落とさず、常にいい品物を売っていきたいと思っています。

 
[実行委員:田村市郎]

 葛西市場から、青年会長の代理で来ています。

 野菜を食べて健康で楽しい人生を送りたい、というのが私の考えです。

 さまざまな野菜について勉強して、少しでも味を知っておくといいと思います。

実行委員 田村市郎
 
[実行委員:吉野元]

 人形町で「長庄」という店をしています。仕入れは葛西市場から。店売りがメインですが、最近、居酒屋への納品も多くなってきたので、7対3ぐらいだと思います。

 もともとサラリーマンで、八百屋としては全くの素人だったので、ここで勉強しようと思い、2〜3年前に受講生として来たのが最初です。食べくらべなどを通して、自信を持って売れるようになりたかった。自分が売っているものが何なのかわからないままでは売れないので、勉強しないといけない、と思いました。今は、知識が増えたことで、売るのが楽しいし、自分の持ってきた品物がよかったとき、やる気が出ます。

実行委員 吉野元
 去年はリンゴの産地見学にも行きました。普段、うちの店では、リンゴはそれほど売らないのですが、自分で見てきたものはよく売れました。知っているものはよく売れるし、気合いも入ります。今年も産地に行くチャンスがあると思うので、ぜひ参加してください。スタッフに「こういうものが見たい」といっていただければ、いろいろ考えたいと思います。
 
[実行委員:杼木浩]

 淀橋支所から実行委員として参加しています。私は新宿の市場の青年会に参加しており、その関係で、杉本さんやほかの方といろいろ話をする機会がありました。品物にも詳しいし、熱く思いを語ってくれるので、すごい人たちが集まっているな、と思って、八百屋塾のお手伝いをするようになり、もう3〜4年になります。

 毎年見ていると、同じような品物が出てくることもありますが、まったく見たことがない品種が入ってくることもありますし、同じ品物でも、年によって出来が違う。先ほど杉本さんから、キャベツを1ヶ月続けて5回くらいは食べてみなさい、というお話がありましたが、その通りで、常に出来も違うので、1回受講したらそれで終わりではなく、続けて受講すると、もっと身につくと思います。私も一緒に勉強しようと思っているので、よろしくお願いします。

実行委員 杼木浩
 
[実行委員:飯塚高史]

 淀橋支所の青年会から来ています。八百屋塾には、最初はただ野菜の勉強という軽い気持ちで参加させてもらったのですが、いざ来てみると、八百屋をやっていても、食べたことも見たこともない野菜がたくさんあることに気がついて、この先も野菜を勉強していかなければいけない、と思いました。

 うちの店は、納めが80%以上です。納めは品物が揃うか揃わないかが一番の問題で、その後に品質だと思っていましたが、ここで実際に野菜を食べくらべたりして、おいしいものを知り、この先もっと幅を広げていけたら、と思っています。

実行委員 飯塚高史
 
[実行委員:鈴木一隆]

 豊島支所に属しています。八百屋塾に参加したのは、発足して2回目からです。江澤先生や講師の先生方のお話を聞いて感銘を受け、もっと勉強を重ねていかなければ、と思いました。自分で食べて感じたこと、学んだことを、若い人たちに伝えていきたいと思っています。

実行委員 鈴木一隆
 
[実行委員:大野武男]

 もともと兄弟でスーパーをしていたのですが、兄がもう年なので、やめてしまいました。私は、友達がやっている八百屋に勤めています。役員はやめられないので、組合費だけは払っており、その関係で今も八百屋塾に来ています。楽しみは味見ができること。これからもよろしくお願いします。

実行委員 大野武男
 
[実行委員:安蒜俊男]

 関澤さんの前に実行委員長をしていました。これからは一実行委員として、みなさんのため、そして、自分のためにも、頑張っていきたいと思います。

 店は葛飾区の亀有にあります。亀有は昔ながらの下町で、バタバタと売っているような店もありますし、ちょっとおしゃれな店もあります。うちは、そのどちらにも属さない店で、自分なりに考えて、一生懸命こだわってやっているつもりです。

 ずっと実行委員ばかりやっていて、塾生になったことがないので、一度は塾生になってみたいというのが私の夢です。

実行委員 安蒜俊男
 
[実行委員:浅賀隆夫]

 3代目実行委員長を務めました。12年という八百屋塾の歴史の中で、今は八百屋さんが苦戦している面もあるかもしれませんが、私は八百屋は不滅だと思います。野菜の力、野菜のよさを伝えるのは、八百屋しかいない。卸、小売、納めと形態はさまざまでも、本当に野菜を知っていて、扱える人間は、八百屋だと思います。今後、そうしたことを伝える役目として、八百屋塾を続けていかないと、途絶えてしまう。ですから、八百屋塾をずっと続けていきたいし、これからも私は八百屋塾を応援したいと思います。

実行委員 浅賀隆夫
 私の店は金町にあります。金町小カブ発祥の地で、由緒ある街。今、北口だけで、八百屋が8軒もあります。大手スーパーは、ヨーカドー、東急、マルエツがある。マルエツは3年ぐらい前に出店したのですが、そこで勢力図がガラッと変わりました。北口にお客さんが降りないで、南口のマルエツがあるほうに人が流れるようになりました。でも、なぜか、そこで八百屋さんが8軒も生きています。それぞれタイプの違った八百屋が頑張っている。ほかの地区では八百屋さんがなくなっていると聞きますが、金町の北口では、八百屋が共存共栄しています。共栄はちょっと言い過ぎかもしれませんが、売上げ高は多少落ちているにしても、そこそこ食べてはいけます。

 とにかく、お客さんにおいしいものを食べてもらったり、野菜を食べて喜んでもらえることが嬉しくて、それを励みに八百屋をやっています。夢はいろいろあるのですが、私の場合、いつ八百屋をやめようか、と考えています。でも、今が大事なので、一生懸命頑張っています。

 
[実行委員:高橋廣道]

 (株)果菜里屋の高橋です。果菜里屋の「果菜」は、娘の名前です。

 全国にはいろいろな野菜があるので、地方に行ったりして、知らなかった野菜に出会うと嬉しくなります。市場にある以外にも、知らない野菜がまだまだたくさんある。それをどうやってみなさんに伝えていったらいいか、という思いが常にあります。実際に食べて、味わってもらいたいですし、生産者や農家のみなさんの思いも伝えたい。また、みなさんからも、店に買いに来てくれるお客さんに伝えてほしい、と思っています。

実行委員 高橋廣道
 うちは納品業務がほとんどです。レストランに地方のめずらしい野菜を提供すれば、そこに食べに来るお客さんにも、こういう野菜があるんだ、ということを伝えられます。自分としては、シェフたちとそういう話もできたら、と考えています。

 野菜は、知れば知るほど奥が深いし、すごいな、と感じます。八百屋塾で、そうした思いや、感動を掴んで帰ってもらえたら嬉しいですし、産地へもぜひ出向いてもらいたい、と思っています。

 今日、フキを持ってきたのですが、最近、お客さんが、フキを使ったこともないし、食べたこともない、とというんです。当然、買ったこともなければ、子どもにも食べさせたことがない。平安時代から伝わってきた野菜なのに、このままでは、フキを食べるという食文化がなくなってしまうかもしれない。ここでフキのおいしさを知って、それをお客さんに伝える、という役割が自分たちにはあると思います。ほかにもそういう野菜がたくさんあるので、なくなってしまわないように、みなさんにもその役割を担っていただけたらありがたく思います。

 うちでは、家族でいつもそういう話をしています。家庭でもみんなで野菜の話ができるといいですよね。八百屋塾で学び、野菜を知って、みんなで野菜の話をしてほしい、と思っています。

 
[ホームページ制作担当:クサマヒサコ]

 私はここで写真を撮り、みなさんのお話を伺って、それをホームページにまとめています。わりと詳しく書かれているので、欠席した場合も、それを見れば、ほとんど内容はわかります。ただ、味を知るのが一番大切なことで、それは、出席しないとできませんから、やはり、できるだけ出席していただきたいと思います。

 (株)ワーズワークスという事務所をやっているのですが、江澤先生に憧れて、八百屋塾に入れてもらいました。食生活ジャーナリストとして、消費者のみなさんに、野菜は工業製品ではなく生きものだいうことを何とか伝えていきたい。また、これからは、知識やコミュニケーションだけではなく、実際にものを売るというのはどういうことなのかについても勉強したいと思っています。

 
[勉強品目説明担当:東京青果(株) 個性園芸事業部 副部長 野原秀司]

 東京青果(株)の個性園芸事業部におります。毎回、野菜を何品かお持ちしています。足りない部分については、果菜里屋の高橋さんにカバーしていただいています。どうぞよろしくお願いします。

東京青果(株) 野原秀司
 
[調理担当]

 調理担当は、荒井先生、上原先生、川村先生、古川先生、藤田さん。

調理スタッフ
 

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